2013 Fiscal Year Annual Research Report
二本鎖RNA結合タンパク質TRBPの遺伝子サイレンシングにおける機能
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11J08395
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 朋子 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | RNA interference / 二本鎖RNA結合タンパク質 |
Research Abstract |
The trans-activation response (TAR)-RNA binding protein (TRBP)は、ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus : HIV-1)の5'LTRにあるTARと呼ばれるステムループ型の二本鎖RNA領域に結合するタンパク質として同定された、二本鎖RNA結合タンパク質である。ヒトのTRBPは3つの二本鎖RNA結合ドメイン(double-stranded RNA binding domain : dsRBD)からなる。当研究室ではRNAi経路におけるsiRNAとタンパク質との相互作用を調べるために、siRNAを両末端から一塩基ずつ体系的にDNAに置換してRNAi活性を測定することで、siRNAガイド鎖の5'側1-8塩基目と、それと対合するパッセンジャー鎖の塩基をRNAi効果が減少することなく、DNAに置換することが出来ることを明らかにしている。ガイド鎖の5'側2-8塩基目はシードと呼ばれる領域で、ターゲットmRNAと塩基配列相補的に認識、対合する領域であるために、この領域はRNAi効果が減少することなく、DNAに置換することが出来ると考えられる。一方、シード以外の領域(非シード領域)はRNAi効果が減少することなくDNAに置換することが出来ないが、それは非シード領域がRNAであることが必須となる機能に関わる領域であると考えられた。そのような重要な機能として、二本鎖RNA結合タンパク質との相互作用が考えられた。本研究ではこの非シード領域とAgoやTRBPなどのRISCタンパク質との相互作用について検討した結果について考察した結果、この非シード領域は更に4つの領域(T, C, B, A)に分類できることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は最終年度であり、siRNAの非シード領城とAgoやTRBPなどのRISCタンパク質との相互作用について検討し、非シード領域が4つの領域(A, T, C, B, A)に分類できることを明らかにし、論文として報告することが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度であった。今後は、二本鎖RNA結合タンパク質であるTRBPの生体内における機能について、ヒト培養細胞を用いた実験系により解析を行いたい。TRBPは3つの二本鎖RNA結合ドメインをもつタンパク質であるが、PACTも同様に3つの二本鎖RNA結合ドメインをもつ二本鎖RNA結合タンパク質である。TRBPとPACTは非常によく似たタンパク質であるため、その機能的な違いについても解析を行い、明らかにしていきたい。
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