2011 Fiscal Year Annual Research Report
リアリステック数理モデルの破壊を通じた、認知-脳相関における因果性の解明
Project/Area Number |
11J08652
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
下野 昌宣 東京大学, 大学院・教育学研究科, 特別研究員(PD) (30552137)
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Keywords | ミクロとマクロ / 多電極アレイ / ネットワーク / Criticality / DTI / fMRI / MEG |
Research Abstract |
本年度は、リアリスティックな数理モデルを開発するために必要となるミクロ回路の情報を抜き出す側面での研究を著しく進展させる事に成功した。申請者は、これまでMEG,fMRI,DTIとマクロなスケールでの脳のデータを計測してきたが、その最小な空間スケールは数ms程度である。我々は、多電極アレイを用いて神経細胞のスパイクを計測した。そのアレイ全体のサイズは1mmほどであり、そのアレイの電極間間隔は60μm程度である。このスケールは、丁度、これまでの計測では得られなかった情報を補間するサイズであるという明確な利点を有していたが、申請者にとって新規手法である点のリスクを伴っていた。ここに、我々が得た知見を以下に列挙する。 1.神経活動のスパイク情報から神経ネットワークの構造を再構成した。 2.in vivoのラットから計測したスパイクから因果的な情報伝達の方向性を解明した。 3.神経活動におけるCriticality仮説のより厳密な検証した。 これらは信頼性をもった数理モデルを構築するためには重要性は高い課題でありながら、その真偽は未知であった。そのため、自ら開拓するよりなかった点である事を明記しておく。それらと同時に、ラットにおいて脳破壊実験を実施しようと試み、共同研究先にインディアナ大学にて倫理委員会での受理手続きを済ませ、実験開始まで至ったが、共同研究者の財政的問題などから頓挫してしまった点も合わせて記録しておく。 マクロ系でのDTIデータの成果の1つをまとめた論文がCerebral Cortex誌(IF=6.844)にて発刊された。現在、マクロ系の研究においても新規解析も進めている。すでに新規な結果は得られ始めており、半年後には学会発表,論文投稿ができると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
・DTIで計測したマクロな脳構造と知覚の関係性に関する研究が、Cerebral Cortex(IF=6.98)に論文が刊行されたなど、業績が出始めた。 ・「研究実施の概要」に示したように、リアリスティックな数理モデルを開発するために必要となる、ミクロ回路の情報を抜き出す側面での研究を著しく進展させる事に成功した。 申請者にとって親しみのあるマクロな脳データからの堅実な業績が出ると共に、申請者にとって新規手法であるミクロな脳データでも、数理モデルを構築するために重要性が高い多くの知見に恵まれた事から、「当初の計画以上の進展」と
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Strategy for Future Research Activity |
本年、脳のミクロ系の研究が著しく進展したことは、プロジェクト開始時点では予定外の出来事であった。 この状況を活かし、脳の「ミクロとマクロ」を研究課題の中心軸の一つとして取り扱うことがよいと考えられる。
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[Presentation] Criticality in Neuronal Networks2012
Author(s)
N.Friedman, S.Ito, B.A.W.Brinkman, M.Shimono, R.E.L.Deville, J.M.Beggs, K.A.Dahmen, T.C.Butler
Organizer
American Physical Society Meeting 2012
Place of Presentation
U.S.A., Boston
Year and Date
20120227-20120302
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