2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J08874
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
玉置 貴之 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | CLEペプチド / SOL1 / CLV3 / CLE19 / プロセシング |
Research Abstract |
・CLEペプチドのプロセシングにおけるSOL1の役割 これまでの解析でsol1変異がCLE19過剰発現の効果を抑制することが明らかになっており、SOL1がCLE19プロペプチドのプロセシングに関わることが示唆されている。今回はSOL1がCLV3プロペプチドのプロセシングに関わりうるかを確認するためにCLV3に関して同様の実験を行った。その結果、野生型とsol1変異体の間でその効果には差が見られなかった。またCLV3-WUS経路との二重変異体の表現型の解析も行ったがsol1変異はCLV3-WUS経路の変異体の表現型に影響しなかった。これらのことからSOL1はCLV3のプロセシングに関わらないことが示唆された。 ・SOL1の精製と生化学的な活性の解析 CLE19プロペプチドのアミノ酸配列からSOL1はC末端のアルギニンを切断する活性をもつと推測されることと、SOL1の動物のホモログであるCPEは実際にC末端のアルギニンを切断する活性をもつことから、SOL1のC末端のアルギニンに対する切断活性についての解析を行った。最初にSOL1をNicotiana benthamianaにおいて一過的に発現させ、精製した。その後で蛍光基質と反応させ、反応生成物であるを蛍光分光光度計を用いて検出した。その結果、SOL1を加えた反応系でのみ、反応生成物の蛍光が顕著に増加し、ポリペプチドのC末端のアルギニンを切断する活性をもつことが明らかになった。このことは植物体内においてSOL1がCLE19プロペプチドのプロセシングに関わることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CLV3に関しては予想とは異なり、SOL1がプロセシングに関わらないことが示唆されたが、計画通りSOL1の生化学的な活性について明らかにし、植物体内においてもSOL1がCLE19のプロセシングに関わりうることが示されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究によってSOL1がCLV3のプロセシングには関わらない一方でCLE19のプロセシングに関わることが示唆されたので、今後はCLE19に着目して研究を進めて行く。今のところSOL1がin vitroでC末端のアルギニンを切断する活性をもちCLE19のプロセシングに関わりうることを明らかにしたが、植物体内で実際にSOL1がCLE19のプロセシングに関わるかはまだ不明である。次年度以降は植物体内におけるSOL1の機能を明らかにするためにC末端アルギニン除去型のCLE19の過剰発現実験、合成CLE19ペプチドに対するSOL1の活性の有無の確認などの解析を行う予定である。またSOL1の発現部位の特定も行う。これらの解析を通して植物体内でのSOL1のCLEペプチドのプロセシングへの寄与について明らかにしたい。
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Research Products
(1 results)