2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J08925
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
高橋 昌幸 新潟薬科大学, 応用生命科学研究科, 特別研究員(DC-1)
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Keywords | 多発生骨髄腫 / small guide RNA / TRUE gene silencing法 / RNA therapy / 核酸医薬 / 血液がん |
Research Abstract |
私の研究の目的はTRUE gene silencing法を基盤とした多発生骨髄腫治療用small guide(sg)RNA薬を開発することである。そのために私は、TRUE gene silencing法の原理に基づき、骨髄腫細胞の増殖に重要な役割を担っていると考えられるmRNAを標的にしたデザイン型sgRNAと、ランダムな配列からなるランダム型sgRNAから構成されたsgRNAライブラリーを作成し、多発性骨髄腫治療用sgRNA薬の候補を発見しようとしている。私は、本研究の予定期間3年間に以下のような5種類の実験を計画している。実験に使用するsgRNAは2'-O-methyl RNAとして化学合成し、細胞は3種類のヒト骨髄腫細胞株(RPMI-8226、KMM-1、Oda)と、対照細胞としてのヒト白血病細胞株(HL60)および繊維芽細胞株(HEK293)を使用する。平成24年度においては、さらに2種類のヒト骨髄腫細胞株(RPMI-1788、KMS-12-BM)を、実験に使用する細胞として追加した。最初に、デザイン・合成されたsgRNAライブラリーを用いて、(1)MTT試験および(2)qRT・PCR解析を行う。次に、MTT試験によって著しい細胞の増殖抑制効果が確認されたものについては、(3)フローサイトメトリー解析、(4)DNAマイクロアレイ分析及び(5)マウスゼノグラフトモデル実験を行う。平成24年度においては、50種類からなるheptamer型sgRNAライブラリーを用いて、計画書の通りに、(1)~(5)の項目についての実験を行った。その結果、ヒト骨髄腫細胞に対して、アポトーシスを引き起こすsgRNAを18種類見いだして、このうち4種類のsgRNAについては、ヒト骨髄腫細胞株RPMI-8226をヌードマウスの皮下に移植したゼノグラフトモデルにおいても腫瘍増殖抑制効果を確認する事ができた。また7種類のsgRNAは標的mRNAを有意に減少させることが示された。そして3種類のsgRNAはDNAマイクロアレイ解析によって、特異的に減少している、いくつかのmRNAを発見する事ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究実績に示した概要は、交付申請書に記載した2年目に計画した予定とほぼ同じであり、その関連する研究成果として、2つの論文を学術雑誌に発表できたことから、研究は、おおむね順調に進展していると判断する事ができると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、(1)MTT試験及び(2)qRT-PCRにおけるsgRNAのスクリーニングを約半年でほぼ終了させる。また、(3)フローサイトメトリー解析についても約半年でほぼ終了させる。前年度と同様に、(4)DNAマイクロアレイ分析及び(5)マウスゼノグラフトモデル実験を行う。そして3年間の結果を総合的に判断し、最も効率良く骨髄腫細胞にアポトーシスを誘導するsgRNAを選択し、それらが臨床試験に実施されることに繋がる実績を残すように尽力する。
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