2011 Fiscal Year Annual Research Report
体細胞分裂期におけるASKファミリーの活性化機構および生理学的意義の解明
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11J09074
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 裕 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ASK / 細胞周期 / 細胞分裂 |
Research Abstract |
研究代表者はASKファミリーが細胞分裂期に活性化し、さらに活性化型のASKファミリー分子が中心体に局在することを初めて見出した。これは、ASKファミリーが他の細胞周期調節分子同様、時空間特異的な調節機構を受けていることを意味する。このことからASKファミリーは細胞分裂での細胞周期制御に関与する可能性が示唆されていた。 しかし、どのような分子メカニズムによってASKファミリーの活性化が引き起こされるのか、その活性化がどのような生理的な意義を担っているのかは未知である。本研究の目的は分裂期におけるASKファミリーの活性制御因子の同定を行うこと、並びにASKファミリーの分裂期における役割を解明することである本研究では、ヒト由来の細胞株であるHeLa細胞に対するRNA干渉法を用い、ASKファミリーのノックダウンを行い、細胞周期進行や細胞分裂における表現型を観察した。その結果、ノックダウンによって細胞分裂に分裂が阻害されるような大きな欠陥は見られなかった。細胞周期の進行に関しては、ノックダウンにより分裂期への進行が減弱する傾向が得られており、分裂期への進行にASKが関わっていることが示唆された。加えて、活性制御因子を同定するためのスクリーニング系の構築を行なっているが、染色条件が安定せず、未だ確実に行える条件を見いだせてはいない。 さらに、活性化型のASKファミリーは分裂期周期には娘細胞間の構造体にも局在することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
スクリーニング系の構築に時間がかかっており、スクリーニング自体にはとりかかれていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
スクリーニングで行う予定の染色の特異性を判断するのが難しい状態である。複数の抗体を用いるなどして、活性の評価を適切に行えるような系を立ち上げたい。早急にスクリーニングが行えるように条件を確定させる。 細胞周期の欠陥がないかをより多角的な視点で検討していきたい。
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