2012 Fiscal Year Annual Research Report
ポリオキソメタレートのプロトン-電子貯蔵伝導特性を基盤とする高機能デバイスの創製
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11J09109
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
板垣 真太朗 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | インドール誘導体 / 塩基 / ギ酸シリル / 酢酸ロジウム / N-シリル化 / 二酸化炭素 / ヒドロシラン / ヒドロシリル化 |
Research Abstract |
代表者は、平成23年度にポリオキソメタレートのプロトン伝導性と多電子酸化還元特性を利用した材料設計により水素をプロトンと電子として貯蔵するという新規な水素貯蔵法を実証した。即ち、水素分子活性部位として金属ナノ粒子をプロトン-電子貯蔵部位としてポリオキソメタレートを有する複合体を設計・調製し、プロトンを対カチオンとしてポリオキソメタレート表面にトラップすることで可逆的な水素の吸蔵・放出を達成した。ポリオキソメタレートは構造が規定されたアニオン性の金属酸化物クラスターであり、その表面がオキソ基により覆われている。そのため、種々の基質を求核的に活性化すると同時にカチオン性の中間体を安定化させることが可能であると考えられる。 平成24年度においては上記のコンセプトのケイ素カチオン種への拡張を試みた。即ち、金属錯体によるヒドロシランの活性化により生成したケイ素カチオン種をポリオキソメタレート上で安定化させることにより、ヒドロシランを用いたヒドロシリル化およびシリル化反応が効率的に進行すると考えた。金属錯体とポリオキソメタレートの最適化を行った結果、酢酸ロジウムと単核タングステート、TBA2WO4(TBA=tetra-n-butylammonium)、を触媒としたときにヒドロシランによるヒドロシリル化およびシリル化が効率的に進行することを見出した。また、本触媒系は単核タングステートのみではなく、一般的な酸素系の塩基にまで適用させることが可能であった。具体的には、以下の2つの反応の検討を行った。 (1)酢酸ロジウム/塩基触媒系によるヒドロシランを用いたインドール誘導体のN-シリル化反応 (2)常圧二酸化炭素雰囲気でのギ酸シリル合成とカルボニル化合物合成への利用
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
代表者は当該年度に、ポリオキソメタレートの特長を巧みに利用し、高機能触媒およびそれらを用いた高効率触媒反応系の創製に成功している。これらの成果を3報の論文として発表している。また、3件の学会発表も行なっている。以上のように、当初の研究計画以上の成果を挙げている。
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Strategy for Future Research Activity |
ポリオキソメタレートー貴金属ナノ粒子複合体の固体触媒への応用を検討する。担持された貴金属と担体であるポリオキソメタレートとの協奏効果(例えば、ヘテロポリ酸由来の多電子供与能、酸性質、酸化能と担持された貴金属種由来の性質)を利用した新反応、ワンポット反応系の開発を目指す。
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Research Products
(6 results)