2013 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物の陸上進出における、呼吸器官の進化と外鰓の役割
Project/Area Number |
11J09181
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
藤村 衡至 東京慈恵会医科大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | ポリプテルス / 外鰓 / 発生 / 神経褶 / 表皮外胚葉 / 内胚葉 / 鰓弓骨格 |
Research Abstract |
本研究は、ポリプテルスの胚を用いて外鰓がどのように形成されるかについて調べ、外鰓の形成メカニズムがどのように脊椎動物の鰓弓骨格の進化に影響を与えたかについて考察することを目的としている。 初年度の平成23年度は、ポリプテルスの外鰓形成には「神経摺」の舌骨弓領域とその領域の腹側下方の「表皮外胚葉」の領域が関与することを明らかにした。 2年度目の平成24年度は、 1)この2つの領域をそれぞれ外科的に除去することによって、外鰓形成への影響さらには咽頭骨格の軟骨形成への影響があるか調べた。 2)ドナー胚から「表皮外胚葉」の領域を切り取り、レシピエント胚の頭部の「表皮外胚葉」に異所的に移植することによって、外鰓形成への影響を調べた。 3)外鰓形成領域の横断面を調べた。 これら3つの結果から、「表皮外胚葉」の領域からの"外側"のシグナルによって、"内側"の「内胚葉」の構造が肥厚・膨出し、外鰓芽形成が誘導され、その後「神経堤細胞」とともに外鰓が形成されることを明らかにした。またさらに、その外鰓のための内胚葉の嚢が咽頭嚢の形成に影響を与え、鰓弓骨格の形成にも影響していることを明らかにした。 最終年度である平成25年度は、この「表皮外胚葉」の組織片に存在する外鰓形成誘導因子を突き止めポリプテルスの外鰓形成の分子機構を明らかにするために、この「表皮外胚葉」の組織片からRNAを抽出し、国立遺伝学研究所と共同研究によってRNAseq解析を開始した。 常勤研究職への就職が決まり特別研究員を中途辞退することになったが、引き続きこのRNAseq解析をおこない研究課題を遂行することによって、脊椎動物の鰓弓骨格の進化との関連性を探る予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Coelacanth genomes reveal a variety of signatures for evolutionary transition from water to land2013
Author(s)
Nikaido M, Noguchi, H, Nishihara H, Toyoda A, Suzuki Y, Kajitani R, Suzuki H, Okuno M, Aibara M, Ngatunga BP, Mzighani SI, Kalombo HW, Masengi KW, Tuda J, Nogami S, Maeda R, Iwata M, Abe Y, Fujimura K, Okabe M, Amano T, Maeno A, Shiroishi T, Itoh T, Sugano S, Kohara Y, Fujiyama A, Okada N.
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Journal Title
Genome Research
Volume: 23巻10号
Pages: 1740-1748
DOI
Peer Reviewed
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