2012 Fiscal Year Annual Research Report
間欠的低酸素レジスタンストレーニングが筋の適応、糖脂質代謝、身体組成に及ぼす影響
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11J09235
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
今 有礼 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 低酸素 / トレーニング / 筋肥大 / 筋力 / 筋持久力 / エネルギー代謝 |
Research Abstract |
本年度は、レジスタンストレーニング前後に血液および骨格筋を採取し、低酸素レジスタンストレーニングが筋肥大、筋機能、および糖脂質代謝に関わるバイオマーカーに及ぼす影響について検討した。 健常成人男性16名を対象として、低酸素群9名および常酸素群7名に分類し、8週間のレジスタンストレーニングを実施した。挙上重量70%1RMにおいて、挙上回数10回、5セット、セット間休息90秒でレジスタンストレーニングを2回/週で8週間行った。レジスタンストレーニング前後の安静時に採血および筋生検を行った。血液からは、インスリン様成長因子-1(IGF-1)、IGF結合蛋白3型1テストステロン、コルチゾール、グルコース、インスリン、遊離脂肪酸(FFA)、トレグリセライド、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロールを測定した。骨格筋からは、IGF-1、Myostatin、低酸素誘導因子-1α、血管内皮細胞増殖因子のmRNA発現を測定した。 血中コルチゾール(筋肥大関連マーカー)およびFFA(脂質代謝関連マーカー)はトレーニング後に有意に低下したが、群間における有意差は認められなかった。筋内IGF-1(筋肥大関連マーカー)mRNAはトレーニング後に有意に増加し、筋内Myostatin(筋肥大関連マーカー)mRNAはトレーニング後に有意に低下したが群間における有意差は認められなかった。他の測定項目に関しては、トレーニング前後で両群ともに有意な変動は認められなかった。 低酸素レジスタンストレーニングは、トレーニング誘発性の血中コルチゾールとFFAの変動および筋内IGF-1とMyostatin mRNA発現に影響を及ぼさない可能性がある 本研究は、競技力向上や生活習慣病の予防・改善を目的とした運動プログラムを立案する上で有益なデータとなる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書通り研究は順調に進んでいる。実験で採取したサンプル(血液および骨格筋)の解析も順調に進行しているため、上記の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は今年度採取したサンプルを用いて、筋肥大、筋機能、および糖脂質代謝に関わる他のバイオマーカーを測定し、低酸素レジスタンストレーニングの効果についてより詳細に検討していく予定である. 研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での問題点は今のところない。
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