2013 Fiscal Year Annual Research Report
間欠的低酸素レジスタンストレーニングが筋の適応、糖脂質代謝、身体組成に及ぼす影響
Project/Area Number |
11J09235
|
Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
今 有礼 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 低酸素 / トレーニング / 筋肥大 / 筋力 / 筋持久力 / 血管新生 |
Research Abstract |
本年度は、低酸素レジスタンストレーニングが筋の適応に及ぼす影響について、血中および筋内のバイオマーカーに着目し、ミクロな視点から検討した。特に昨年度までの研究において、低酸素レジスタンストレーニング(低酸素群)が常酸素レジスタンストレーニング(常酸素群)よりも筋持久力を向上させる可能性が示唆されたため、特に筋持久力に関わるマーカーに着目し検討を行った。 筋持久力の向上には、トレーニングによる筋内の血管新生が関与している可能性が考えられる。それゆえ本年度は、昨年度のトレーニング実験の前後に採取した血液および骨格筋を用いて、血管新生に関わるマーカーの測定を行った。血液からは血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、骨格筋からはVEGFレセプターおよびペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γコアクチベーター1α(PGC-1α)のmRNA発現、VEGFおよびPGC-1αのタンパク発現を測定した。また筋内の血管新生数をCD31の免疫染色により評価した。 血中VEGFは低酸素群のみトレーニング後に有意に増加し、トレーニング後の値は常酸素群と比較し有意に高値を示した。VEGFレセプターおよびPGC-1αのinRNA発現は、両群ともにトレーニング前後で有意な変化は認められなかった。VEGFのタンパク発現は、トレーニング後に両群で有意な増加が認められた。PGC-1αのタンパク発現は両群ともにトレーニング前後で有意な変化は認められなかった。CD31は低酸素群でトレーニング後に有意に増加し、トレーニング後の値は常酸素群と比較して有意に高値を示した。 低酸素レジスタンストレーニングは常酸素レジスタンストレーニングと比較し、血管新生をより促進させる可能性がある。本研究結果は、筋機能の向上を目的とした運動プログラムを立案する上で有益なデータとなる可能性がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
|