2012 Fiscal Year Annual Research Report
植物病原菌ゲノミクス手法を用いた殺菌剤作用機構の研究基盤の確立
Project/Area Number |
11J09315
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
泉津 弘佑 滋賀県立大学, 環境科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013-03-31
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Keywords | 薬剤耐性 / 植物病原菌 / ゲノムシークエンス |
Research Abstract |
本年度は、昨年度までに得られていたトウモロコシごま葉枯病菌(Cochliobolus heterostrophus)の各種化学突然変異株の戻し交配を引き続き行った。具体的には、重要な薬剤耐性株(TF991耐性株)を含む化学突然変異株群について、野生株との戻し交配を6-7回行った後、相互交配により多重変異株を作出した。次に、3重変異株2-7-a、4重変異株57a、および野生株のゲノムDNAを抽出し、全ゲノムシークエンス解析を行った。すでに全ゲノム配列が公開されているC5株をリファレンス配列として用いて、それぞれの変異点の位置について比較、解析を行った。その結果、薬剤耐性に関わる可能性のある変異点を、いずれの多重変異株においても約300-500箇所に絞ることに成功した。このうち多くの変異点は、遺伝子コード領域外のものであり、実際に薬剤耐性に関与するものは数十遺伝子に限定されたと言える。今後はこの数十遺伝子から目的遺伝子座を同定するのみとなっている。今後は、まず変異位置に特異的なプライマーを用いたPCRにより、子孫株の解析を通じて候補遺伝子の絞込みを行う予定である。これにより、植物病原菌ゲノミクス手法を用いた薬剤耐性点の初めての同定が可能になると強く期待できる。 また、ウリ類炭疸病菌のミトコンドリアにおける脂肪酸β酸化に関わる遺伝子CoEch1の機能解析や、トウモロコシごま葉枯病菌の病原性に関わる遺伝子ChSte12、ChSte50など植物病理学上重要な遺伝子の同定も行った。
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[Journal Article] Transformation of the mushroom species Hypsizigus marmoreus, Flammulina velutipes, and Grifola frondosa by an Agrobacterium-mediated method using a universal transformation plasmid2013
Author(s)
K. Hatoh, K. Izumitsu, A. Morita, K. Shimizu, A. Ohta, M. Kawai, T. Yamanaka, H. Neda, Y. Ota, C. Tanaka
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Journal Title
Mycoscience
Volume: 54
Pages: 8-12
DOI
Peer Reviewed
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