2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J09568
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
鈴木 孝宗 独立行政法人物質・材料研究機構, 若手国際研究センター, NIMSポスドク研究員
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Project Period (FY) |
2011 – 2013-03-31
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Keywords | メソ多孔体薄膜 / 金属酸化物半導体 / ゾル-ゲル法 / 導電性ポリマー / 有機/無機ハイブリッド / 太陽電池 |
Research Abstract |
メソ多孔体n型無機酸化物半導体薄膜の作成に関しては、市販のものに比べ熱耐性のある両親媒性界面活性剤を鋳型に用いることで、細孔骨格の結晶化に伴う細孔の規則構造崩壊を防ぐことが可能となることを見いだし、メソ多孔体酸化チタン薄膜の他、これまで報告例の少ないメソ多孔体酸化スズ薄膜の作製に成功した。また、亜鉛ドーピングによる結晶成長抑制と併用することで、メソ多孔体酸化スズ薄膜における細孔構造の規則性向上に成功した。さらに、アンチモンドーピングを施すことで、細孔構造の規則性向上のみならず、導電性向上も達成した。 得られたメソ多孔体n型無機酸化物半導体薄膜とp型導電性ポリマーを組み合わせて有機/無機ハイブリッド太陽電池を作成したところ、無孔のn型無機酸化物半導体薄膜を用いた素子に比べ短絡光電流が増加する傾向が得られた。これは、メソ構造を導入したことにより、再結合する前にp/n界面にたどり着くことができる励起子(電子-正孔対)の数が増加したことに起困すると考えられる。 くし形ポリマー太陽電池の研究に関しては、昨年度作成方法を確立した多孔性陽極酸化アルミナ薄膜を鋳型としたp型導電性ポリマーのナノファイバーアレイ作成を試みた。基板上に成膜したポリマー薄膜とアルミナ鋳型との密着性を上げるため熱プレス処理を施した後、真空加熱を施すことで融解したポリマーをアルミナ鋳型の細孔内に注入することで、局所的にはナノファイバーアレイらしき構造を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
規則的な細孔構造を有する各種メソ多孔体n型酸化物半導体薄膜の作成に関しては、概ね順調に進展したが、p型導電性ポリマーと組み合わせて作成した有機/無機ハイブリッド太陽電池の変換効率が著しく低く、メソ多孔体薄膜導入による変換効率向上が有意に起こらなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
有機-無機ハイブリッド太陽電池の変換効率が低いのは、そもそもメソ多孔体酸化物半導体薄膜が太陽電池素子への応用に適していないからである可能性がある。そこで、メソ多孔体酸化物半導体薄膜を用いた色素増感太陽電池を作成・性能評価を行うことでメソ多孔体酸化物半導体薄膜の太陽電池素子への適応可能性を検討する。色素増感太陽電池においても変換効率が著しく低い場合、メソ多孔体構造それ自体が太陽電池素子に向いていないと考えられるため、他のナノ構造(ナノチューブやナノロッド)を検討する。色素増感太陽電池では有意な変換効率が得られた場合、有機-無機ハイブリッド太陽電池の構造に問題がある可能性が高い。そこで、変換効率向上を目指した構造最適化を行う。
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Research Products
(14 results)