2013 Fiscal Year Annual Research Report
分子育種への応用に向けた植物ミトコンドリア多様性の基礎的解析
Project/Area Number |
11J09925
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
片山 健太 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | カルジオリピン / オルガネラ / 植物 |
Research Abstract |
期間全体を通し本研究課題では、ミトコンドリア形態変異体の単離、ミトコンドリア脂質の解析、ミトコンドリアの組織内分化の観察により、ミトコンドリア多様性の生理的意義を解明することを目的としていた。 第1に、ミトコンドリア形態に関わる遺伝子スクリーニング、及び、ミトコンドリア脂質の逆遺伝学的な解析では、全く異なる二つの解析手法にもかかわらず、幸運にも、双方で関連し合うと推測される因子を発見することが出来た。具体的には、後者において、動物および酵母のミトコンドリアでリン脂質の脂肪酸交換反応を担う酵素遺伝子のホモログをシロイヌナズナで同定した。そして、その遺伝子破壊植物体は、ミトコンドリアに局在するリン脂質であるカルジオリピンの変異体と同様に、ミトコンドリアの形態が変化した。一方、前者の解析で、ミトコンドリアが不揃いな変異体の原因遺伝子を同定したところ、原因遺伝子はミトコンドリアに局在するα/β加水分解酵素であり、特に保存された領域で脂質分解酵素と類似していた。そこで、前者及び後者の変異体でリピドーム解析を行ったところ、ミトコンドリアに局在されるとされる脂質で増減が見られた。また、その変化パターンは両変異体間で正反対であった。以上の結果から、動物においても未解明の、ミトコンドリアにおける形態と脂肪酸転移反応との密接な関係を植物で発見することができた。 第2に、ミトコンドリアの組織内ごとの違いやミトコンドリア関連因子の遺伝子発現を解析することで、ミトコンドリアが激しくその形を変える組織内の部位を発見した。また、ミトコンドリア分裂や配置が異常な変異体ではそれらの器官が正常に機能しなかった。さらに、それらの器官の変異体ではミトコンドリアの形態応答が異常であった。以上の解析の結果、これまでほぼ未解明のミトコンドリアの形態が植物体機能に果たす役割について推測する手がかりを得た。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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[Presentation] Mitochondrial dynamics in Plants2013
Author(s)
Kenta Katayama, Nagisa Nagaoka, Nobuhiro Tsutsumi, and Shin-ichi Arimura
Organizer
The 4th International Symposium on Dynamics of Mitochondria (DynaMito2013)
Place of Presentation
沖縄残波岬ロイヤルホテル(沖縄)
Year and Date
2013-10-29
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