2011 Fiscal Year Annual Research Report
媒体撹拌ミルの最適化のためのシミュレーションモデルの開発
Project/Area Number |
11J09976
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
曽田 力央 東北大学, 環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 離散要素法 / 粉砕 / シミュレーション / 媒体撹拌ミル |
Research Abstract |
媒体撹搾ミルはナノサイズまでの粉砕・分散が可能であることから、顔料・電子材料などの材料製造分野で広く用いられている粉砕・分散機であるので、さらなる性能の向上が望まれている。しかしながら、従来の媒体撹搾ミルの設計手法は実験が主体であるため、粉砕機内部の様子を観察することができなかった。したがって、従来手法では粉砕現象の理解や十分な最適化が難しく、コストと時間もかかる。 そこで、本研究では媒体撹俘ミル内部の様子をより簡便に、そして詳細に観察することが可能なシミュレーションモデルの開発を目指した。さらに、そのシミュレーションモデルを用いて粉砕機内部で起きている粉砕現象の解析および、媒体撹搾ミルによる超微粉砕・解砕における原料粉体物性に依らない普遍的な最適化操作条件の決定法を提案することを目標とした。 本年度(平成23年度)は、離散要素法(DEM)を用いた媒体撹搾ミルシミュレーションモデルの開発と実験結果との比較によるシミュレーションモデルの妥当性の検証を行った。 その結果、 1.媒体撹搾ミルの重要な性能因子である、所要動力および摩耗粉発生量を予測するシミュレーション手法を構築できた。 2.シミュレーションモデルの妥当性を検証するため、実験により様々な条件で所要動力と摩耗粉の発生量を測定した。この実験結果とシミュレーションによる予測結果を比較したところ両者の結果はよく一致することがわかり、本研究で構築したシミュレーション法の信頼性を確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
媒体撹搾ミル内部の様子を観察することが可能なシミュレーションモデルの開発とその妥当性を実験により確認することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
シミュレーションモデルの妥当性を更に検証するための実験を継続して行なっていく。 また、スラリーの運動を解析するためのCFDシミュレーションモデルも開発し本年度構築したDEMによるシミュレーションモデルと連成させる「DEM-CFD連成シミュレーションモデル」の構築を目指す。
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