2012 Fiscal Year Annual Research Report
神経活動依存的なNeuroligin切断の分子メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
11J10924
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 邦道 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Neuroligin / メタロプロテアーゼ / γ-secretase / 膜たんぱく質 / シナプス接着分子 |
Research Abstract |
<NL2の細胞外領域切断酵素の同定> NL2の細胞外切断酵素の候補として既知のADAMおよびMT-MMPファミリー分子についてノックダウンスクリーニングを継続して行った。しかし有意かつ特異的にNL2の切断を低下させる遺伝子の同定には至らなかった。すなわち、NL2の細胞外切断酵素が新規のプロテアーゼであることが示唆された。そこで酵素活性を元に切断酵素を網羅的に探索することを目的とした2通りのスクリーニング法の初期検討を行った。第1の方法として、リコンビナントNL2のin vitro cleavage assayにより切断酵素活性を含む画分からの責任酵素同定を考えた。そこで哺乳類細胞を用いて基質となるリコンビナントNL2を高純度に精製する方法を確立し、in vitro assayの基礎を組み立てた。第2の方法としてNL2の切断を抑制するメタロプロテアーゼ阻害剤を固相化し、結合タンパクの網羅的解析から切断酵素を同定することを考えた。各種誘導体化した阻害剤を検討し、NL2の切断を優位に阻害する化合物を同定した。後者の解析は本学天然物合成化学教室福山透教授との共同研究により行われた。 〈細胞外切断の機能解析と自閉症との関係の検討〉 切断が低下するNL1変異体を用い、神経細胞に遺伝子導入しスパイン形成能を評価した。野生型NL1はスパイン密度の増加傾向は観察されたものの有意差はつかず、一方で変異NL1はスパインへ集積とスパイン密度の有意な増加が生じた。この結果からNL1の細胞外切断はスパイン形成に対し抑制的な作用を有することが確かめられた。 NLは自閉症の原因遺伝子であることから、自閉症モデルマウスを用いてNLの切断や発現量に影響がないか検討した。その結果、モデルマウス小脳においてNL2の細胞外切断産物が増加していることを見出した。この解析は広島大学内匠透教授との共同研究により行われた。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Activity-dependent proteolytic cleavage of neuroligin-12012
Author(s)
Suzuki K, Hayashi Y, Nakahara S, Kumazaki H, Prox J, Horiuchi K, Zeng M, Tanimura S, Nishiyama Y, Osawa S, Sehara-Fujisawa A, Saftig P, Yokoshima S, Fukuyama T, Matsuki N, Koyama R, Tomita T, Iwatsubo T.
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Journal Title
Neuron
Volume: 76(2)
Pages: 410-422
DOI
Peer Reviewed
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