2011 Fiscal Year Annual Research Report
MANETのためのテストベッドおよび新たなプロトコルの実装
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11J11199
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
クラ エリス 福岡工業大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | MANETネットワーク / 経路制御プロトコル / テストベッド / 室内・室外環境 / Horizontal/Verticalトポロジ / モビリティ / メッシュ・リニアトポロジ / 無線ネットワーク |
Research Abstract |
本年度の研究成果として、実際にMANETに関する実験環境を構築し、多種のプロトコル、伝搬モデルを評価するとともに新たなプロトコルとの比較・解析を行った。また、ネットワーク・シミュレーション・システムに多種のトポロジモデルと移動モデルを実装し,屋内・屋外を想定した特性解析を行った。当該年度に実施した主な3つの研究を述べる。第1に、「ノード離脱・参加および送信ノード、宛先ノード、中継ノードの移動による影響とその調査」として、従来研究で経路選択に関する実験的検証を行い,中継端末の移動による影響をリンクメトリックのETXに着目して評価を行っていた。そこで、屋内・屋外環境におけるネットワークからのノード離脱・参加による影響を他のプロトコルで、調査した。通信実験では,主に階段環境における移動ノードと経路表の更新プロセスにおける各経路制御プロトコルの性能を分析した。また、その特性評価を送信ノード、宛先ノード、中継ノードの三つに焦点を当てている。第2に、「シミュレーション(ns-2、ns-3)による比較・検討」として、ネットワークシミュレータのns-2とns-3を用いて様々な実験モデルを用いてネットワーク特性を評価した。また、シミュレーション結果と実験結果を比較することで、近年開発されたns-3シミュレータのシミュレート精度が従来のns-2と比較し改善していることを明らかにした。また、従来のns-2で問題であったノード数が増えると指数関数的に計算時間が増える問題が解決しているのを、MANETのシミュレーションを用いて確認した。第3に、「階段および屋内・屋外における通信特性と解析」では,ノードのネットワークへの離脱・参加による影響及び,移動ノードによるスループット特性を評価基準にした場合、BATMANプロトコルが他のプロトコルと比較し迅速な経路切り替えが行えたため接続性と安定性が高いことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた初年度の研究計画を達成することができた。また、成果として学術論文に4編(第1著書1編)、国際会議(査読付き)に26編(第1著者7編)の論文が採録された。さらに、2011年9月に行われたNBis-2011では"BestPaper"賞を受賞し、国際的にも本研究の内容が高い評価を受けている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、平成23年度の研修成果をベースにその応用と新たなアプローチで研究を進めていく。次の5つの項目について研究を行う。 1、テストベッドの拡張(階段上り下りとセンサ・アクタ・ネットワークへの適用) 2、新しいMANET経路制御プロトコルの提案と実装 3、MACプロトコルの提案と実装 4、提案プロトコルのテストベッド上の評価 5、他のプロトコルとの比較と検討
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