2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J40042
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
三島 綾子 (前崎 綾子) 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 特別研究員(RPD)
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Keywords | TTL / tubulin / NMR / 動的構造解析 |
Research Abstract |
(1)TTLの立体構造解析に向けて、TTLのコンストラクトの最適化を行い、NMR測定で良好な結果が得られるコンストラクトを作成した。今年度はじめまでに、いくつかのコンストラクトを作成し、NMRスペクトルの改善も見られていたが、NMRを用いた構造解析を成功させるためには、より、高純度、高濃度の精製タンパク質が必要であった為、さらにコンストラクトの最適化を行った。ランダムミューテーションを行うなどして、多数のコンストラクトの作成を行ったが、最終的には、2011年10月にnature structural & molecular biologyに立体構造が報告されたXenopusの配列を参考にして、数か所に変異を入れることにより、高純度、かつ高濃度に濃縮できるhuman TTLの精製に成功した。今後、このサンプルを用いて、NMRを用いた動的構造解析を行う予定である。 (2)Tubulinの発現系の構築及びタンパク質の培養、精製を行った。 α-tubulinとβ-tubulinを共発現させることにより、大腸菌でのTubulinの発現を試みた。α-tubulin,β-tubulinを共発現させ、低温で発現誘導をかけて培養、tubulinの重合、脱重合を繰り返すことによって、少量のtubulinの精製に成功した。現在のところ、tubulinの発現状態は非常に良いが、大腸菌の破砕段階で、沈殿してしまう割合が非常に高い。今後、発現過程でのtubulinのアセチル化や発現条件、大腸菌の破砕条件などを検討して、高純度、高収量でtubulinを精製できるよう改善していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TTLの立体構造解析に向けて、human TTLに数か所の変異を入れることにより、NMRを用いた立体構造解析に十分な、高純度、高濃度の精製タンパク質の精製方法を確立した。Tubulin発現系の構築については、大腸菌の培養方法、精製方法を検討した結果、α,β-tubulinを共発現させることによって、少量ではあるが、α,β-tubulinを精製できうようになった。次年度の構造解析に向けて、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
TTLについては、現在までに確立した手法を用いて、タンパク質の培養、精製を行い、高純度、高濃度のタンパク質を大量に精製する。今後は、NMRを用いた動的構造解析に向けた実験を行っていく。 Tubulinについては、大腸菌でのα,β-tubulinの共発現により、タンパク質が大量に発現できていることは確認できているが、大腸菌破砕後のα,β-tubulinの多くが沈殿してしまっている。今後は、tubulinのアセチル化酵素を共発現させる、発現条件をさらに改善するなどの検討を行い、高純度のα,β-tubulinを大量に精製できるよう、研究を進めていく。
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