2013 Fiscal Year Annual Research Report
核内受容体クロストークによる脂質代謝メカニズムの解明
Project/Area Number |
11J40085
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
韓 松伊 横浜市立大学, 生命医科学研究科, 特別研究員(RPD)
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Keywords | 核内受容体 / クロストーク / 脂質代謝 / 転写 / 新規化合物 |
Research Abstract |
平成24年度までの研究により、肝臓内での、核内受容体ERとLXRのクロストークによる脂質合成制御機構を明らかにすることができた。ERはLXRと直接相互作用することでLXR標的配列に結合、転写コファクター群のリクルートを調節することによりLXRの転写活性化を制御することを示した。さらに、ERの従来の標的遺伝子の発現を変動させずにLXR転写活性化のみを制御する新規ERリガンドを同定することができた。マウスにおいて、ER-LXRクロストークは肝臓特異的に見られ、LXRによる肝臓の中性脂肪蓄積をERがリガンド依存的に抑制することを明らかにした。 平成25年度は、前年度に新たに実施を開始させた項目である、ER-LXRクロストークの生体内作用についての解析を主に行った。高脂肪食負荷実験によりマウス肝臓内の脂質合成を促進させ、既存のERリガンド及び、新規ERリガンドの作用を検証した。高脂肪食に含まれる内因性コレステロール誘導体により肝臓内LXRは転写活性化し、下流の脂質合成遺伝子の発現を増加させ、脂肪肝へと変化させた。ERリガンドはこのLXRによる脂質蓄積作用を抑制することができた。そして、この作用を肝臓内ERが担っていることを、肝臓特異的ER欠損マウスを用いた実験により示すことができた。さらに、高脂肪食負荷した、野生型及び肝臓特異的ER欠損マウスの肝臓を用いた分子生物学手法を用いた実験を行った。その結果、高脂肪食負荷時においても、これまでに明らかにしたER-LXRクロストーク機構が働いていることを示した。本研究により、高脂肪食による脂肪肝の軽減にERリガンドが有効であることを示し、その分予機構を特定できたことは、新規ERリガンドによる脂肪肝治療薬としての開発に繋がると期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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[Journal Article] Estrogen receptor ligands ameliorate fatty liver through a nonclassical estrogen receptor/Liver X receptor pathway in mice.2014
Author(s)
Han SI, Komatsu Y, Murayama A, Steffensen KR, Nakagawa Y, Nakajima Y, Suzuki M, Oie S, Parini P, Vedin LL, Kishimoto H, Shimano H, Gustafsson JÅ, Yanagisawa J.
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Journal Title
Hepatology
Volume: 59(5)
Pages: 1791-1802
DOI
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[Journal Article] Hepatic rRNA Transcription Regulates High-Fat-Diet-Induced Obesity.2014
Author(s)
Oie S, Matsuzaki K, Yokoyama W, Tokunaga S, Waku T, Han SI, Iwasaki N, Mikogai A, Yasu zawa-Tanaka K, Kishimoto H, H iyoshi H, Nakajima Y, Araki T, Kimura K, Yanagisawa J, Murayama A.
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Journal Title
Cell Report
Volume: 7(3)
Pages: 807-820
DOI
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