2014 Fiscal Year Annual Research Report
真核由来葉緑体分裂因子と包膜脂質による葉緑体分裂制御機構の解析
Project/Area Number |
11J40167
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 久美子 (岡崎 久美子) 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(RPD)
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Keywords | 葉緑体分裂 / 真核由来因子 / 膜脂質 / ホスファチジルイノシトール / PDV1 / PDV2 / DRP5B |
Outline of Annual Research Achievements |
葉緑体分裂の制御は葉緑体を細胞に保持するために必須であり、最適な数と大きさを維持する機構は葉緑体の機能にとって重要である。本研究では、葉緑体分裂の制御機構を装置の真核由来因子と葉緑体膜脂質との相互作用に着目して明らかにすることを目指して解析している。 昨年度までに、葉緑体分裂装置の構成タンパク質PDV1とPDV2がホスファチジルイノシトールー4-リン酸(PI4P)などのいくつかの脂質と特異的に結合することを見出した。 PI4キナーゼ(PI4K)の阻害剤を添加した培地で生育したシロイヌナズナでは、無処理のものに比べて細胞あたりの葉緑体数が増加し葉緑体が小さくなっていた。シロイヌナズナに存在する4つのPI4Kのうち、2つのPI4Kが細胞質に局在していることを昨年度までに明らかにした。本年度は、PI4キナーゼ(PI4K)の阻害剤を添加した培地で生育したシロイヌナズナやPI4Kの発現抑制株では、葉緑体膜に含まれるPI4Pの量が低下していることを確かめた。 PI4Pによる制御は主にPDV1を介して行われており、PI4Pが減少すると葉緑体に局在するDRP5Bの量が増えることをこれまでに示した。DRP5Bは葉緑体のくびり切りに必要な因子であり、PDV1、PDV2によってリクルートされる。本年度、阻害剤処理によって葉緑体に局在するDRP5Bの量が増えていることを単離葉緑体で確かめた。PI4PはPDV1とDRP5Bの相互作用を変化させ、葉緑体のDRP5B量を制御することで葉緑体分裂を制御していることが示唆された。しかし、drp5b変異体でもPI4P合成を阻害すると葉緑体の数が増えたことから、葉緑体へ局在するDRP5Bの量をコントロールする以外にもPI4Pの制御を受ける分裂機構が存在することが示唆された。
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Research Progress Status |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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