2012 Fiscal Year Annual Research Report
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11J40232
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
東島 恵美子 生理学研究所, 生体情報研究系, 特別研究員(RPD)
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Keywords | 発達障害 / 学習障害 / 自閉症 / 行動介入 / Applied Behavior Analysis / free operant / 障害児教育 / 視覚情報処理 |
Research Abstract |
本年の研究は、当初の研究計画にある項目(1)から(3)について以下の内容を行った。 (1)ASD幼児の療育(行動介入)における効果の測定 岡崎市内などを中心にして、発達障害(主に自閉症スペクトラム)の幼児から低学年小学生に行動介入を導入して、その記録を取った。本研究は、生理学研究所倫理委員会の承認を経た後、児童の保護者に目的・方法の説明をして、了承を得て研究協力を依頼した。行動介入の実際のトレーニングは、公益市民団体あしたばスタッフの協力を得てすすめた。医療機関で受けた療育(行動介入を含む)は、聞き取りにより調査した。ビデオの解析を行い、介入前と後での変化を数値化した。結果をまとめ、平成25年度にケースレポートを発表する予定である。 (2)文字の認識に対する適切な教材の作成、 視覚情報処理に基づいた教材を実際にひとりの発達障害(自閉症スペクトラム)の幼児に使い、ビデオ撮影による記録を取った。視線を計測する装置(Tobii)による視線の計測を行い、描くタイミングと視線の関係を調べて予備的な実験結果を得た。 (3)発達障害のゲノム解析について論文検索、総説の著作ASDのゲノムに関する文献を集め、名古屋大学医学系研究科(精神医学)の協力を得て、一部を総説「自閉症スペクトラムとシナプス蛋白質のアンバランス」にまとめた。発話と療育の関係を著作にまとめ、行動科学ブックレットとして発行予定している(行動科学ブックレット「話す」2013年予定)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、昨年度中断に引き続き、出産・産休のあと、支援復帰制度(半日)を使った。そのため実験的なことはあまりできなかったが、資料収集などに集中したので一定の成果をあげることができ、次年度への準備を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、大脳皮質機能研究部門においてヒト眼球測定や、モーションセンサーを使った実験を計画している。療育や行動介入について、こうした測定によって科学的な視点にたって実際に適用できるような教材や理論を開発してゆきたい。
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