1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11NP0201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Creative Basic Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮田 隆 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (20022692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉谷 滋 岡山大学, 理学部, 教授 (00178089)
堀 寛 名古屋大学, 大学院理学研究科, 教授 (60116663)
岡田 典弘 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (60132982)
五條堀 孝 国立遺伝学研究所, 教授 (50162136)
七田 芳則 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (60127090)
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Keywords | 生物多様性 / 分子進化 / 形態進化 / 分子系統樹 / 遺伝子族 / 多細胞動物 |
Research Abstract |
従来の分子レベルでの生物進化の研究は、分子を利用して生物の系統を再現する分子系統学と、分子そのものの進化の機構に関する研究とに大別される。平成11年度から開始が予定されている新プログラム方式による研究、「生物多様性の分子生物学」では、これら2つの軸を同時に眺め、生物進化の過程で遺伝子の多様化がどのように進んだか、生物の多様化と遺伝子の多様化にはいかなる関連があるか、分子レベルのいかなる変化が生物の多様性と関連するか、等、生物多様性の分子機構を解明することを目的とするとともに、新しい分子進化学の構築を目指す。本研究は、こうした来年度からスタートする研究が円滑に推進されるために、以下のような準備活動を行った。 1) 平成10年9月7日、分担者全員が京都大学に集まり、今後の具体的な研究計画を綿密に立てた。まず、分担者それぞれが研究の現状を報告し、互いに研究を把握した上で、研究の分担領域を検討した。さらに、分担者間で研究協力の可能性とテーマを検討した。また、生物多様性の研究にとって生物材料の恒常的供給は不可欠であり、動物を中心とした各種生物の専門家から生物の採取・培養の情報を収集することが研究の遂行上、是非とも必要であるとの結論に達し、本年度中に、専門家を招いて研究会を開催し、情報提供および研究協力を依頼することにした。また、生物多様性の分子機構に関する研究の現状とこれからの研究計画をまとめた総説を公開することを決めた。 2) 1)の討論の結果を受けて、さまざまな種類の動物の分類、生態、生理に関する専門家に呼びかけ、平成10年12月21日-22日の2日間、コープイン京都(京都市中京区)にて「生物多様性」の研究会を開催した。予想以上に活発な討論に終始し、我々の研究計画に対する高い関心と今後の研究協力の約束が得られた。 3) 平成11年2月22日、分担者が京都大学に集まり、1)以降の進展も含めた最終的な分担課題と協力体制を具体的に検討した。また、是非協力を依頼すべき研究協力者を決定し、そのうちの幾つかについては、さっそく生物材料の収集を依頼し、分担者の間で予備的実験を行った。 4) 我々の計画を広く理解してもらうために、1)の決定に従って、「生物多様性の分子機構へのアプローチ」という題で、蛋白質・核酸・酵素(44巻、1999年)に特集として総説を発表した。
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[Publications] D. Hoshiyama: "Sponge PaxcDNA reated to Pax-2/5/8 and ancient gene duplication in the Paxfamily" J. Mol. Evol.47. 640-648 (1998)
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[Publications] A. Terakita: "Selective activation of G-protein subtypes by vertebrate and invertebrate rhodopsins" FEBS Lett.439. 110-114 (1998)
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[Publications] K. Tsunoyama: "Evolution of nicotinic acetylcholine receptor subunits" Mol. Biol. Evol.15. 518-527 (1998)
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[Publications] K. Takahashi: "Interspersed repetitive elements (SINEs) from Cichlid: The petterns of insertion of SINEs at orthologous loci support the proposed monophyly of four major groups of Cichlid in lake." Mol. Biol. Evol.15. 391-407 (1998)
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[Publications] K. Kawakami: "Excision of the Tol2 transposable element of the medaka fish, Oryzias latipes, in zebrafish, Danoi rerio" Gene. 225. 17-22 (1998)
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[Publications] N. Horigome: "Development of cephalic neural crest cells in embryos of Lampetra japonica, with special reference to the evolution of the jaw." Dev. Biol.207. 287-308 (1999)
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[Publications] Y. Umesono: "Distinct structure domains in the planarian brain defined by the expression of evolutionary conserved homeobox genes." Dev. Genes Evol.209. 18-30 (1999)
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[Publications] 宮田 隆: "DNAからみた生物の爆発的進化" 岩波書店, 198 (1998)