2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12002005
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高柳 邦夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80016162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 直紀 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (90108184)
大島 義文 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (80272699)
平山 博之 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (60271582)
箕田 弘喜 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (20240757)
谷城 康眞 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40143648)
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Keywords | 電子顕微鏡 / 走査型トンネル顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / ナノワイヤ / 量子化コンダクタンス / 超イオン伝導体 / 融体 / 表面 |
Research Abstract |
本年度は、ナノプローブ超高真空電子顕微鏡(平成14年度に完成)の基盤装置となる超高真空電子顕微鏡の納入を完了し、この装置に組み込む予定のナノプローブ機能支援型ゴニオステージの設計、試作機の製作を終了した。 半導体量子コンタクトの物性探索のためにナノプローブ超高真空電子顕微鏡に組み込める超小型AFMホルダーの開発を進めた。ホルダーはLEDレーザー、ミラー、カンチレバー、試料、ミラー、PSDディテクターから構成される。特に、0.1°以内の角度精度で遠隔操作可能な超小型慣性駆動ミラーの開発に成功した(平山)。 既存の超高真空電子顕微鏡によっても、金属ナノワイヤの構造と電気的性質について研究成果を得た。 小型の走査型トンネル顕微鏡を新たに開発し、金電極の量子化コンダクタンス(電気伝導度が2e^2/hの整数倍に量子化される)を計測した。特に、太さが1nm以下で長さが10nm以上の金ナノワイヤを室温で作製して、ヘリカル多層シェル構造(HMS)とコンダクタンスの同時計測に世界で始めて成功した。また、高温(300℃以上)と低温(-120℃)で白金、金ナノワイヤの作製を行い、それらがHMS構造を持つことを明らかとした。さらに、低温での金ナノワイヤの観測から、従来室温観測では見られなかった、最細(直径0.4nm)の金ナノチューブや最長の原子鎖を合成できることを示した(大島)。 金属ナノワイヤのバリスティック電子輸送と電子相関に関して、電子の平均自由行程よりも長いナノワイヤで"量子化コンダクタンスの破れ"を探索した。研究は完遂していないが、超イオン伝導体である沃化銀(AgI)の両端に電極を付け、プラス側の電極を引き離すとAgI表面から銀ワイヤが成長してくることを光学顕微鏡と走査型顕微鏡とで"その場"観測し、同時に銀ワイヤの形状変化とコンダクタンス変化の同時観測を成功させた。(谷城)。 融体物質構造を電気伝導度から探るため、AFM探針と融体表面の間にナノメートル太さの液柱を作製してコンダクタンスを計測することを試みた(箕田)。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.Koizumi, Y.Oshima, Y.Kondo, K.Takayanagi: "Quantitative high-resolution microscopy on a suspended chain of gold atoms"Ultramicroscopy. 88. 17-24 (2001)
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[Publications] Y.Oshima, H.Nakade, S.Shigeki, H.Hirayama, K.Takayanagi: "UHV-TEM./TED observation of Ag islands grown on Si(111)√<3>x√<3>-Ag surface"Surface Science. 493. 366-372 (2001)
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[Publications] Y.Oshima, H.Nakade, S.Shigeki, H.Hirayama, K.Takayanagi: "Commensurate and Incommensurate Striped Structure of Ag film grown on Si(111)√<3>x√<3> surface at room temperature"Surface Science. 498. 307-313 (2002)
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[Publications] Y.Ohshima, H.Koizumi, Y.Kondo, K.Mouri, H.Hirayama, K.Takayangi: "Evidence of a Single Wall Platinum Nano-tube"Phys.Rev.B. 65. (2002)
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[Publications] H.Hirayama, Y.Kawamoto, Y.Ohshima, K.Takayanagi: "Nanospot welding of carbon nanotubes"Appl.Phys.Lett.. 79. 1169-1171 (2001)