2004 Fiscal Year Annual Research Report
体細胞の細胞周期とその制御機構-RCC1-RanGTPaseの解析を中心として-
Project/Area Number |
12002011
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西本 毅治 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10037426)
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Keywords | RanGAP / Histone H3-K9 methyltransferase / ヘテロクロマチン / 温度感受性変異マウス / Mog1 / NTF2 |
Research Abstract |
1)RanGAP蛋白質の機能解析:分裂酵母のhistone H3と動物のヒストンを用いてRanGAPとの結合性をしらべたところ、histone H3のC端とRanGAPは結合した。この結合によりRanGAPの活性は完全に阻害された。そして、RanGAP/Sprna1p温度感受性変異のサプレッサーとして分離された、Histone H3-K9 methyltransferase Clr4がこの阻害を完全に回復させる事が生化学的に証明された。In vivoにおいても、ヒストンH3の強発現はclr4遺伝子欠損株では致死となったが、野生株では致死とはならなかった。さらに、興味あることにはRanGAP蛋白質がそれ自体でRan非依存的にClr4のHistone H3-K9 methyltransferase活性を促進した。これらの結果はRanGAPがヘテロクロマチン形成に関わっている事を強く示唆する。2)SpSnf2複合体を酵母より抽出し、Ranによる機能制御の有無をしらべる。【○!3】Clr4とSrSnf2以外にSerine/threonine kinase SpKsp1pが分離されている。このキナーゼとRanとの関連を調べる。3)出芽酵母Ran/Gsp1温度感受性変異株においてはDNA障害チェックポイント機構が活性化されており、野生型で致死である、MEC遺伝子欠損がこの株では致死とならなかった。この結果はRan cycleの新たな機能を示唆する。4)Mog1蛋白質の温度感受性変異株を分裂酵母を用いて作成し、そのサプレッサーを分離した結果、多数のNTF2が分離された。この結果はMog1蛋白質とNTF2蛋白質の機能的相関を強く示唆する。5)RCC1遺伝子に温度感受性変異を持つマウスは発生初期の卵割期に染色体凝縮を起こして死んだ。この結果、培養細胞での表現型が実際の動物体においても証明された。
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