2000 Fiscal Year Annual Research Report
黒鉛添加による塩と材料の高度脱塩素処理と廃プラスチックのゼロエミッション化
Project/Area Number |
12015205
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
奥脇 昭嗣 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70005320)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 美穂 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10292236)
吉岡 敏明 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30241532)
|
Keywords | 脱塩素 / 廃プラスチック / PVC / 黒鉛 / 石炭代替資源 |
Research Abstract |
塩ビを含む廃プラスチックのゼロエミッション化のためには,脱塩素を化学反応支配として処理できる技術開発が必要である.本研究では,試料への伝熱速度を高めるため,PVCに黒鉛を添加し,脱塩素速度におよぼす影響について検討した. 純粋PVCと黒鉛の混合比に対する速度定数の比は,伝熱支配の温度域である350℃においては,脱塩素速度は1.4〜1.5倍になり,伝熱係数の高いものを混合した方が効果的であった. 黒鉛添加により脱塩素処理された残留物は石炭代替燃料として用いることができる.石炭を用いる電力・鉄鋼・セメントなどのエネルギー・素材産業は,それぞれ国内の主要CO_2排出源であるとともにエネルギー多消費産業である.これらの産業において,石炭の代替燃料として廃プラスチックを用いた場合には,CO_2削減とともに,エネルギーの有効利用の観点からもその有効性が期待できる.国内で埋立ておよび単純焼却された廃プラスチック984万tを全て熱エネルギーとして換算すると約8.61×10^<13>kcalにもなる.国内の石炭火力発電所,製鉄所,セメント工場および製油所の全設備から半径100km圏内の地域は,北海道東部,中部,東海,九州南部を除く国内のほとんどをカバーしていることから,これらの廃プラスチックを石炭の代替燃料に用いた場合のCO_2削減率は電力産業においては約7.5%,製鉄業においては約3.6%,セメント産業においては約23.5%のCO_2削減率となり,廃プラスチックを石炭の代替燃料として用いることは,期待される手段の一つである.
|
-
[Publications] A.Okuwaki: "The Correlation among the Rate, Reaction Products, and Change in the Structure during Dehydrochlorination of PVC"Proc.1st International Conference, Polymer Modification, Degradation and Stabilization. 1. 3-7 (2000)