2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12015219
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
戸田 任重 信州大学, 理学部, 助教授 (60291382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖野 外輝夫 信州大学, 理学部, 教授 (50020681)
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Keywords | 窒素 / 窒素負荷 / 窒素汚染 / 物質循環モデル / 集水域 / 湖沼 / 諏訪湖 / 長野県 |
Research Abstract |
小生らは、平成10-11年度の調査研究で、千曲川流域の統計資料データから、過去30年間にわたる、窒素負荷発生状況、水質の変遷との関係を調査し、同流域では、畜産廃棄物とヒト屎尿が主要な汚染源であったこと、今後の水質改善のためには、下水処理効率の改善が有効な施策であることを明らかにした。本研究では、同様の手法を用いて、湖内の全窒素濃度の上昇が問題になっている諏訪湖集水域での窒素循環を検証し、今後窒素汚染を削減するための効率的な方策を検討した。 行政統計資料に基づいて、過去30年間の諏訪湖集水域での土地利用、窒素負荷発生量の推移を調査した。諏訪湖流域では、人口は1970年以降微増している。一方、家畜飼養頭数では、豚・トリ数は1970年あるいは1975年以降大幅に減少し、牛数も1980年をピークに半減している。農耕地面積も1970年以降2/3まで減少した(1998年現在)。減反政策を反映して水田作付け面積の減少はさらに大きい。道路を含む市街地面積はやや増加し、林野面積はほぼ横ばいである。下水道の普及率は80%(1997年現在)に達し、しかも流域下水道の放出口は諏訪湖流出部近くに設けられているので、屎尿由来の窒素負荷は大幅に削減されてきている。 諏訪湖流域では、下水道の普及、農耕地面積の減少、家畜数の減少により、流域からの流入負荷量は減少してきている。しかし、負荷量の減少の大部分は下水道による生活系負荷量の減少によるものであり、総量としては減少してきているが、農耕地系および自然系からの負荷比率が相対的に大きくなってきている。今後の負荷削減対策では、特に農耕地系からの負荷に対する対策が必要であろう。
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Research Products
(2 results)