2000 Fiscal Year Annual Research Report
食品加工排出物の高機能無機質化による物質循環プロセスの構築
Project/Area Number |
12015223
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
小澤 正邦 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (30252315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 傑 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (50024287)
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Keywords | 魚 / 骨 / ハイドロキシアパタイト / セラミックス / 食品加工 / 多孔質 / 重金属 / 焼結 |
Research Abstract |
セラミックスプロセスの観点から、これに関わる物質の投入・排出の両面で他産業排出物の有効利用とプロセス改善に道を開く技術開発を目的として研究をおこなった。食品加工業から排出される有用な無機物資源をセラミックス原料に再資源化する技術の開発を通じて、食品加工-セラミックスの双方において新規な物質循環が可能になるようなプロセスの開発を追求した。バイオセラミックスの原料として水産加工排出物(魚あら)を再資源化するため要素技術の開発および材料評価を行ったところ、ハイドロキシアパタイト質および無機リン酸塩化合物が有効に利用できその機能化もはかることができることを見出した。まず複合化プロセスによる新材料開発要素技術としてリン酸基セラミックスのための魚骨の材料化技術を研究した。魚あら等の水産加工排出物からいくつかのプロセスを経て作製したハイドロキシアパタイトセラミックスは、その作成条件の最適化により多孔性と強度をもった優れた材料に転換できることがわかった。異なる原料粉体および焼結体作製のプロセスを研究したところ合成原料を使用する場合に比べても十分な強度を有する多結晶緻密体を作製できた。さらに、高機能化研究として、汚染水中の重金属除去特性を調査し、このセラミックスが鉛などの重金属類を高収率で除去できる機能を有することを明らかにした。以上の実験および調査研究によって、食品加工廃棄物から有用なセラミックスを作製し、また環境浄化に貢献する天然物質の再利用循環プロセスを提案した。
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[Publications] M.Ozawa et al: "Microstructural development of natural hydroxyapatite originated from fish bone waste through heat treatment"Journal of American Ceramic Society. (未定). (2001)
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[Publications] 小澤正邦 他: "食品加工排出物の高機能無機質化による物質循環プロセスの構築"環境科学会予稿集2000. 2P41 (2000)