2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヌクレオシド含有ポリマーの組織化と細胞表面の糖転移酵素による認識
Project/Area Number |
12019210
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
畑中 研一 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (70167584)
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Keywords | ウリジン / ポリスチレン / 糖質ポリマー / 細胞接着 / 細胞移動 / 生体認識 / 糖転移酵素 / ガラクトース転移酵素 |
Research Abstract |
ウリジンを有するモノマーををラジカル重合し、ウリジンを有するポリスチレン(PUSS)を得た。一方、ガラクトースを有するスチレンモノマーの重合によりガラクトース含有ポリマー(PVLA)を、2種類のモノマーの共重合によりウリジンとガラクトースを有するコポリマー(P(U-V))を合成した。さらに、N-アセチルグルコサミンを有するポリマー、ウリジンとN-アセチルグルコサミンを有するコポリマーも合成した。PUSS、PVLA、P(U-V)、PUSSとPVLAのブレンドをそれぞれコーティングしたポリスチレンシャーレに対する3T3-L1線維芽細胞、HeLa細胞、肝細胞の接着量を測定した。3T3-L1線維芽細胞はPUSSコートシャーレに最も良く接着した。コポリマーやポリマーブレンドにおいてもPUSSほどではないにしろ、接着していることが確認できた。PVLAに関しては、コントロールと優位な差が見られなかった。これらのことから、PUSSのウリジン残基を3T3-L1細胞が認識して接着していると考えられる。HeLa細胞では、どの系でもコントロールとの優位な差が得られなかった。肝細胞に関しては、PVLAに最も良く接着し、PUSSにおいてもコントロールに対して優位な差が認められた。N-アセチルグルコサミンを有するポリマー、ウリジンとN-アセチルグルコサミンを有するコポリマー、ポリマーブレンドではガラクトースの系とほぼ同じような結果を示した。また、トランスウェルを用いた細胞移動実験では、3T3-L1細胞はPUSS表面を移動していることが分った。P(U-V)、PUSSとPVLAのブレンドにおいても移動していることが確認できた。HeLa細胞ではどの基質においても細胞の移動は確認できなかった。肝細胞は、良く知られるようにPVLA上で最も良く移動していることが分った。
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[Publications] M.Kunou,M.Koizumi,K.Shimizu,M.Kawase,and K.Hatanaka: "Synthesis of Sulfated Colominic Acid and Their Interaction with Fibroblast Growth Factors"Biomacromolecules. 1・3. 451-458 (2000)
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[Publications] K.Hatanaka,T.Yamaguchi,K.Okuyama,K.Katsuraya,and K.Hashimoto: "Synthesis of Mannose-Branched Deoxy-Glucan Derivative by Polymerization of Disaccharide Monomer"Polymer Journal. 32・11. 974-976 (2000)
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[Publications] M.C.Kasuya,Y.C.Lee,T.Sato,K.Hatanaka,T.Yamagata et al.: "Azido Glycoside Primer : a Versatile Building Block for the Biocombinatorial Synthesis of Glycosphingolipid Analogues"Carbohydrate Research. 329・1. 755-763 (2000)