2000 Fiscal Year Annual Research Report
抗体-光増感剤コンジュゲイトの合成とこれを用いた光線力学治療
Project/Area Number |
12019219
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大倉 一郎 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (90089821)
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Keywords | 光線力学治療 / 抗体 / 光増感剤 / フタロシアニン / レーザーフラッシュ法 |
Research Abstract |
光線力学治療は光増感剤をガン患者に投与し、光増感剤が取り込まれた腫瘍組織に光照射を行うことにより、腫瘍を壊死させる方法である。現在、光線力学治療用の光増感剤としてはポルフィリンの誘導体であるフォトフィリンが用いられている。しかし、フォトフィリンは腫瘍選択性が低いこと、組織透過性のよい長波長領域の光の吸光係数が小さく、深部の腫瘍の治療には適さないという欠点がある。そこで、本研究ではこれらの欠点を克服し、とくに腫瘍選択性の高い、抗体-光増感剤コンジュゲイトの開発を目的としている。 昨年度までに抗体-光増感剤コンジュゲイトを創製し、抗体-光増感剤コンジュゲイトのキャラクタリゼーションを行ったので、本年度は腫瘍への取り込み、および殺腫瘍効果を調べた。光増感剤としては、おもに新規亜鉛フタロシアニンを用いた。中心金属として亜鉛を、側鎖としてフッ素およびスルホ基数の異なるフタロシアニンを創製し、これら化合物の光化学的性質を調べた。光化学的性質の中でとくに光励起三重項寿命は光増感活性を左右する重要な因子である。励起用光源にNd-YAGレーザーを用い、レーザーフラッシュ法により寿命を測定した結果、数百マイクロ秒と長寿命であることが判った。これとマウス腹水ガン抗体と結合させ、抗体-光増感剤コンジュゲイトを創製したところ、腫瘍への取り込み、殺腫瘍効果が高いことが判った。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] K.Fukushima: "Photochemical properties of water-soluble fluorinated zinc phthalocyanines and their photocytotoxicity Hela cells"J.Porphyrins Phthalocyanines. 2. 219-222 (1999)
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[Publications] Y.Amao: "Photoluminescent oxygen sensing using palladium tetrakis (4-carboxyphenyl) porphyrin self-assembled membrane on alubmina"Anal.Commun. 36. 179-180 (1999)
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[Publications] Tomohiro Hiraishi,Toshiaki Kamachi,Ichiro Okura: "Photoinduced hydrogen evolution with bisviologen-linked ruthenium (II) complexes and hydrogenase"J.Mol.Catal.,A ; Chem.. 151. 7-15 (2000)
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[Publications] Tomohiro Hiraishi,Noriyuki Asakura,Toshiaki Kamachi,Ichiro: "On the ruthenium (II) polypyridine labeled cytochrome C3"J.Mol.Catal.A : Chem. 151. 1-5 (2000)
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[Publications] Kenji Tabata,: "Selective aggregation of zinc phthalocyanines in the skin"J.Porphyrins Phthalocyanines. 4. 278-284 (2000)
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[Publications] 小倉俊一郎,大倉一郎: "がんのレーザー治療-光増感剤-"バイオサイエンスとインダストリー. 58. 26-28 (2000)
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[Publications] 小野嘉夫 ほか: "触媒の事典"朝倉書店. 634 (2000)