2000 Fiscal Year Annual Research Report
CMC-Magnetiteを用いた温熱療法時の脳腫瘍内動態の検討
Project/Area Number |
12019228
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 純 名古屋大学, 医学部, 教授 (40158449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 俊彦 名古屋大学, 医学部, 講師 (50220835)
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Keywords | 正電荷リポソーム / マグネタイト / 脳内拡散 / 脳腫瘍 / 温熱療法 / カルボキシメチルセルローズ |
Research Abstract |
我々は磁性微粒子であるmagnetiteを用いた悪性脳腫瘍に対する種々の温熱療法を開発し、腫瘍細胞内取り込み効率を上げるため正電荷脂質包埋magnetite(magnetite cationic liposome、MCL)を用いる方法で有効な抗腫瘍効果を確認している。今回更に高い温熱効果を得る為に、増粘剤として薬剤にも使用されているcarboxymethylcellulose(CMC)とmagnetiteとを混和調整した性状の異なる2種類のCMC-magnetiteを使用し、温熱処理を行った後の腫瘍内の組織学的変化を観察した。CMC-magnetiteの調整はCarboxymethylcellulose(CMC)の4%分散液とmagnetiteを混和し凍結乾燥ののち吸水させて作製し、magnetite(Fe_3O_4濃度を30〜50mg/mlに調整した。T9ラットグリオーマ細胞を脳内に注入後8日目にrat脳腫瘍内にCMC-magnetite40μlを注入注入(刺入)は脳定位装置を用いて施行した。注入(刺入)後24時間より高周波磁場発生装置のコイル(内径25cm長さ25cm)中心部にラットを静置し、88.9kHz/384Oeの磁界条件内で腫瘍内のmagnetiteを1日1回30分間、計3日間発熱処理した。最終磁場処理24時間後に脳摘出し組織染色を施行した。その結果、CMC-magnetiteは腫瘍内に拡散し、磁場処理を重ねるたびに拡散が進行していくことが明らかになった。また、CMC-magnetiteのウサギ正常脳内での発熱はmagnetite3.3mg刺入時に中心部で50℃以上、頭蓋表面の頭皮温で44℃以上が得られることが確認されており、他の製剤では獲得し得ない高い温熱効果が期待できる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 若林俊彦 他: "Stick type CMC-magnetiteによる脳腫瘍温熱療法の至適条件の検討"神経免疫研究. 11. 207-210 (1999)
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[Publications] 大野貴也 他: "gelated type 及びstick type CMC-magnetiteの脳腫瘍内動態の検討"神経免疫研究. 11. 211-215 (1999)
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[Publications] 大野貴也 他: "磁性微粒子を用いた悪性脳腫瘍温熱療法モデルの病理組織学的検討"Brain Tumor Pathology. 17・Suppl1. 84 (2000)
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[Publications] 若林俊彦 他: "Intracollular hyperthermia for brain tumor by means of magnetite cationic lyecomes"Brain Tumor Pathology. 17・Suppl2. 74 (2000)