2000 Fiscal Year Annual Research Report
抗腫瘍単鎖抗体の作製とその臨床応用のための基礎的検討
Project/Area Number |
12019268
|
Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
吉川 和宏 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60109759)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐賀 信介 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40144141)
|
Keywords | 単鎖抗体 / scFv |
Research Abstract |
(目的) 腫瘍に特異的に発現する抗原を認識する組み換え型単鎖抗体(scFv)を作製し、臨床応用のための基礎的検討を行うことが本研究の目的である。そのモデルとしてヒトグリオブラストーマを選んだ。グリオブラストーマにはEGFR(Epidermal growth factor receptor)の発現が認められるが、この遺伝子の一部を欠損している腫瘍細胞があり、この欠損部の再構成の結果、正常な分子内には無い新しいアミノ酸が発現する。この分子は腫瘍特異的に発現しているため治療等の標的分子として非常に有望と思われる。そこでこの変異EGFRを認識するマウスモノクローナル抗体(3C10)を作製し、この抗体の組み換え型単鎖抗体の作製を試み、臨床応用のための基礎的検討を行った。 (結果) 1.単鎖抗体は大腸菌により生産し、inclusion bodyとして回収した。Ureaによる可溶化後、Rapid dilution法によりrefoldingを行った。さらにエピトープを含むペプチドを用いたアフィニティーカラムにより、活性ある抗体の精製を行った。 2.元抗体と比較し単鎖抗体のアフィニティーはおよそ1/4に落ちていた。しかし、ペプチド抗原を用いたELISA、変異EGFRを発現する細胞を用いたMHA、またヒト腫瘍を用いた免疫染色を比較した結果、元抗体と同様の反応性を保っていた。 3.99mTcを容易に標識できることが確認できたため、標識抗体を用いて生体内の腫瘍への集積性を検査した。24時間後の腫瘍/血液比は、元抗体が15、単鎖抗体が3を示し、単鎖抗体の生体内における腫瘍への集積性も保たれていることが確認できた。
|
Research Products
(1 results)