2000 Fiscal Year Annual Research Report
プロチウム導入による機能性ダイヤモンド電極の電気化学特性制御
Project/Area Number |
12022202
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
八木 一三 北海道大学, 大学院・理学研究科, 講師 (40292776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 定 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00155011)
魚崎 浩平 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20133697)
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Keywords | 導電性ダイヤモンド薄膜 / 電気化学特性 / 表面終端水素 / 走査型水素顕微鏡 / 水素発生反応機構 |
Research Abstract |
硼素をドープした導電性ダイヤモンド電極は、きわめて広い電位窓と微小な残余電流を有し、しかも酸化還元種に対する応答が良いという特異的に優れた電極材である。ダイヤモンド表面の終端水素や表面近傍に存在する原子状水素の存在が表面の伝導性や電子放出能に大きく影響することが示唆されているが、ダイヤモンド内に局在する水素原子がどのような電子状態を形成しているか、あるいはどのような機構でダイヤモンド表面特性を変えるのか、という点については、完全な理解には至っていない。本研究では、ダイヤモンド薄膜表面及び表面近傍層における原子状水素の濃度を直接決定すると同時に、薄膜の電気化学特性・光電気化学特性との相関を細部まで調べ、水素が及ぼす影響を定量的に評価した。ダイヤモンド電極表面の原子状水素濃度を測定する手法としては、電子線励起脱離(ESD)と飛行時間型質量分析装置(TOF-MASS)を利用した走査型水素顕微鏡により表面層に局在する水素原子を検出・画像化した。測定はプラズマアシストCVD成長後のAs-Grown試料、アノード酸化処理を行った試料、および重水素化した硫酸の重水溶液中で重水素発生を行った試料について行った。各試料のESD-TOF-Massスペクトルから、As-Grown表面と比較すると、電解処理表面(重水素発生・アノード酸化処理の双方)で明らかに酸素の存在量の増大ならびに酸素の状態の変化が明らかになった。アノード酸化処理による酸素シグナルの増大は予想通りであるが、重水素発生表面でも酸素が導入されていることは注目に値する。すなわち、この結果から予想されるダイヤモンド電極表面における水素発生反応機構は、終端水素自身が中間体であるということを示唆している。終端水素が引き抜かれ、残ったダングリングポンドが水と反応したからこそ、表面に酸素種が導入されたと考えられるからである。現在、その面内分布を明らかにする実験を検討している。
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