2000 Fiscal Year Annual Research Report
C3型からCAM型光合成への変換時におけるタンパク質脱リン酸化酵素の役割
Project/Area Number |
12025206
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
福原 敏行 東京農工大学, 工学部, 助教授 (90228924)
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Keywords | アイスプラント / CAM光合成 / タンパク質脱リン酸化酵素 / PP2C / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
アイスプラントの4種のタンパク質脱リン酸化酵素タイプ2C(PP2C)遺伝子(Mpc2,Mpc5,Mpc6,Mpc8)について、CAM型光合成のキーエンザイムであるPEPC(phosphoenolpyruvate carboxylase)遺伝子(Ppc1)のプロモーターの活性化能をパーティクルガンとGUSアッセイを組み合わせて解析したところ、Mpc8伝子を導入した場合のみ、C3型植物の葉では本来発現しないPpc1プロモーターの活性化がみられた。Mpc8遺伝子がPEPC遺伝子の発現誘導をとおしてCAM光合成誘導のシグナル伝達に関与する事が示唆された。PP2Cの生体内基質を検索するため、アイスプラントの2種のPP2C(MPC2,MPC6)と、シロイヌナズナのABI1,ABI2、当研究室で単離したシロイヌナズナの4種のPP2C(APC1,APC3,APC4,APC5)についてGST融合タンパク質として大腸菌で発現させたものを精製し、人工基質であるリン酸化カゼインに対する活性を基準とし、シロイヌナズナのMAPキナーゼキナーゼ(AtMEK1)、3-hydroxy-3-methylglutaryl-CoAreductase(HMGR)を基質として用いた場合のPP2Cの脱リン酸化活性を解析した。その結果、APC4は、AtMEK1に対し活性が高いがHMGRに対しては活性が低いこと、逆にABI1,ABI2はAtMEK1をほとんど脱リン酸化できないが、HMGRに対しては活性が高いこと、APC5は、AtMEK1とHMGR両方に対して脱リン酸化活性が高いことがわかった。その他の4種のPP2Cタンパク質は、両方の基質に対し特異的な脱リン酸化活性を示さなかった。これらの生化学的な解析結果は、PP2Cの生体内基質を示唆すると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Toshiyuki Fukuhara: "The expression of a Vpl-like gene and seed dormancy in Mesembryanthemum crystallinum."Genes and Genetic Systems. 75. 203-209 (2000)
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[Publications] Hideki Horiuchi: "RNA-dependent RNA polymerase activity associated with endogenous double-stranded RNA in rice."Plant and Cell Physiology. 42・2. 197-203 (2001)