2000 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュ遺伝学によるミッドラインシグナル伝達機構の解析
Project/Area Number |
12026213
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
川上 厚志 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 助手 (00221896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 洋幸 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 教授 (80179647)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / ミッドラインシグナル / シグナル伝達 / chameleon / ソニックヘッジホッグ / ボディプラン / ポジショナルクローニング |
Research Abstract |
生物の発生において,からだのボディプランの形成は様々のシグナル分子の作用によってコントロールされている。その中でも脊椎動物の脊索,フロアープレート(ミッドラインと総称する)は,神経管や体節のパターン形成と細胞の分化を支配するシグナリングセンターとして重要な働きをしている。当研究では,ミッドラインからの神経管,体節への誘導シグナルの作用を分子レベルで明らかにするために,ゼブラフィッシュを用いて遺伝学的なアプローチを行ってきた。ゼブラフィッシュで同定された多数のミッドラインシグナリングに欠損を持つミュータントを用いて,その解析を通じて,シグナル伝達のカスケードをあきらかにし,分子間の相互作用,調節機構を解明することを目指している。 本年度は、海外出張先のニューヨーク大学医学部から国立遺伝学研究所への異動に伴って飼育設備やセットアップに多くの時間を費やしたが、主にミッドラインミュータント、chamelon(con)の原因遺伝子の同定をすすめた。chameleonミュータントについても、その原因遺伝子は、ミッドラインシグナルで中心的な役割を果たす因子として知られているシグナル分子のひとつであるヘッジホッグのシグナルに関わるような遺伝子であろうと考えて、さまざまの遺伝子のマッピングを行ってきた。しかし、いずれもchameleonとはマップ上の位置が異なっていた。この分子は,ミッドラインシグナリングで何らかの調節的な役割を果たしている重要な新規分子である可能性が高い。最終的に、ポジショナルクローニングによって遺伝子の同定を進めることに絞って、ゲノムウオーキングを行っている。これまでにcon遺伝子を含むと考えられる2つのYACクローンが同定できた。この領域の詳細なマップやESTの解析から、このYACクローンに含まれる遺伝子を同定することができた。さらに、この遺伝子の変異について解析を進めている。まもなく原因遺伝子であるかどうかを確定できる見込みである。
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Research Products
(1 results)