2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12026235
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
濃野 勉 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (20098619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 直之 川崎医科大学, 医学部, 助手 (50267449)
西松 伸一郎 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20222185)
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Keywords | Wnt-10a / Porcupine / Frizzled-10 / Wnt-7a / SHH(sonic hedgehog) / AER(apical ectodermal ridge) / 肢芽 / 四肢形成 |
Research Abstract |
四肢形成におけるWntファミリーの活性調節にかかわる因子の役割を調べ,以下の成果が得られた。 1.Wntの分泌製御に関与するニワトリPorcupineの同定を試み,そのcDNAを得た。Porcupineはニワトリ肢芽の間充織全域で発現していたが,四肢の発生に伴い中心部の発現は減弱する。 2.AER形成にはWnt-3aが関与していることが示唆されているが,その発現パターンなどからはWnt-3a以外のメンバーである可能性が高く,またマウスAERではWnt-10aが発現していることから,ニワトリWnt-10aの同定を試みた。全長をコードするcDNAを得て発現パターンを調べると,肢芽形成以前では外胚葉(外皮)で均一に発現し,その後,予定肢芽領域の外皮で強く発現するようになる。しかしながら,ニワトリWnt-10aを予定前肢域の外胚葉で過剰発現してもFgf-8の発現誘導は見られず,Wnt-10aもWnt-3aと同様にAER形成には直接関与していないと考えられる。 3.Wntレセプターの1つFrizzled-10(Fz-10)は肢芽先端部の背側の間充織で発現し,Wnt-7aおよびShhとの因果関係が示唆される。Shh産生細胞の移植により12時間で肢芽前部の背側でFz-10の発現が誘導される。背側外皮を除去してWnt-7aシグナルを排除すると短時間のうちにFz-10の発現が消失する。さらに,Wnt-7a産生細胞を腹側に移植するとその発現が誘導される。故に,Fz-10はShhとWnt-7aによって正の調節を受けていることが判明した。ツメガエルのアニマルキャップではFz-10によってSiamois,Xnr3の発現が誘導され,この効果はWnt-7aとの共存によって相乗的に増大する。一方,Wnt-3aとの共存では相乗効果は見られず,Fz-10はWnt-7aに特異的なレセプターとして機能していることが示された。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Kawakami,Y., et al.: "Identification of chick frizzled-10 expressed in the developing limb and central nervous system"Mechanisms of Development. 91(1-2). 375-378 (2000)
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[Publications] 濃野勉: "Wnt signaling"生体の科学. 51(2). 174-174 (2000)
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[Publications] Sukegawa,A., et al.: "The concentric structure of the developing gut is regulated by sonic hedgehog derived from endodermal epithelium"Development. 127(9). 1971-1980 (2000)
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[Publications] 和田直之 他: "四肢の発生と再生"実験医学. 18(9). 157-163 (2000)
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[Publications] 濃野勉: "Wntファミリーと形態形成"現代医療. 32(8). 1912-1921 (2000)
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[Publications] 西松伸一郎 他: "骨形成タンパク質の生合成と形態形成."生化学. 72(7). 547-550 (2000)
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[Publications] Enomoto-Iwamoto,M., et al.: "Hedgehog proteins stimulate chondrogenic cell differentiation and cartilage formation"Journal of Bone and Mineral Research. 15(9). 1659-1668 (2000)
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[Publications] Kawakami,Y., et al.: "Involvement of Frizzled-10 in Wnt-7a signaling during chick limb development"Development, Growth and Differentiation. 42(6). 561-569 (2000)
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[Publications] Yasue,A., et al.: "Cloning and expression of the chick p63 gene"Mechanisms of Development. 100(1). 105-108 (2001)