2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12031223
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
石谷 良一 城西大学, 薬学部, 教授 (80077958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 勝躬 城西大学, 薬学部, 助教授 (80095314)
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Keywords | 神経細胞死 / アポトーシス / GAPDH / Promoter領域 / 機能ドメイン / 神経変性疾患 |
Research Abstract |
我々は,解糖系の酵素タンパク質であるglyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase(GAPDH;EC1.2.1.12)が従来の触媒機能とは全く異なる(むしろ正反対的な)killing proteinとしてアポトーシスを誘発することを見出した。即ち:(1),アポトーシス誘導下で新たなGAPDH mRNAの過発現が生じること;(2),GAPDH antisenseによる同過発現の選択的抑制;(3),過発現したGAPDHの核内移行が細胞死過程での第一義的であること,を報告している。 本課題研究にて,(1)及び(2)の知見(即ち,pro-apoptoticとglycolytic GAPDHの遺伝子レベルでの発現機構の存在)に関してはGAPDH遺伝子のATG開始コドン上流領域のクローニング実験より,pro-apoptotic GAPDH promoter coreの同定にて最終証明を成し得た。(3)に就いては,先にクローニングしたGAPDH cDNAのdeletion mutation実験にて,核内移行と封入体形成を司るfunctional domainの解析に成功した。更には,神経細胞自滅タンパク質としてのGAPDH側からの神経変性疾患症の病因学的検討を,我々が開発したpro-apoptotic GAPDHに特異的なモノクローナル抗体を用いて,ハンチントン病モデルtransgenic miceにて病理変性部位の神経細胞核内GAPDH過発現を実証した。次いで,新潟大脳研/高橋均先生との共同研究にて,マシャド・ジョセフ病疾患患者の剖検脳組織標本下での核内GAPDH過発現及び核内封入体へのGAPDH共存性の知見に成功した。 以上の成果から,pro-apoptotic GAPDHの核内封入体発現と神経変性疾患症候との会合性を実証出来た。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] N.Katsube,R.Ishitani: "A Review of the Neurotrophic and Neuroprotective Properties of ONO-1603 : Comparison with Those of Tetrahydroaminoacridine, an Antidementia Drug"CNS Drug Reviews. 6・1. 21-34 (2000)