2000 Fiscal Year Annual Research Report
シア・ストレス応答性cDNAの包括的単離と動脈硬化における役割の解明
Project/Area Number |
12032211
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野島 博 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (30156195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉末 元 協和発酵, 東京研究所, 研究員
鍋島 建太郎 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (60294120)
吉岡 直寿 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (80314417)
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Keywords | アポトーシス抑制 / Fas抗体 / ずり応力 / シアストレス / ヒト臍帯静脈血管内皮細胞 |
Research Abstract |
我々はヒト臍帯静脈血管内皮細胞HUVECをマイクロキャリアに接着させ回転培養することでずり応力を負荷し、それに伴って発現上昇する多数の遺伝子群(RECS)をサブトラクティッドcDNAライブラリーを作製することにより多数クローニングしてきた。このうちRECS1はFas受容体と結合することによってFas経路のシグナルを下流に伝えることを阻害し、Fas経路のアポトーシスを特異的に阻害するLFG(Lifeguard)に高いホモロジーをもつ蛋白質(Recs1)をコードする。Recs1とLFGはいずれも複数の膜貫通ドメインを有する疎水性蛋白質であるが、全体で約50%の同一性を有するもののN末側約3分の1はほとんど相同性が見られない。脳に特異的に発現しているLFGとは対照的に、RECS1はあらゆる抹消組織で発現しており、脳では相対的に発現が低いことがノーザン解析により分かった。Recs1に相同性の高い因子であるLFGはFasによるアポトーシス誘導を抑制することから、Recs1に同様の機能があるかどうかを調べた。まず、抗Fas抗体を用いてHeLa細胞にアポトーシスを誘導したところ、vectorを導入したHeLa細胞は48時間後に約70%の細胞がアポトーシスをおこしたが、Recs1を発現させた細胞ではアポトーシスをおこした細胞が約50%に減少していた。次に、UVおよびガンマ線によってHeLa細胞にアポトーシスを誘導して同様の実験を行ったが、Recs1によるアポトーシスの抑制は見られなかった。さらに、ヒト正常繊維芽細胞TIG1にRECS1をレトロウイルスベクターで発現させて、TNF-aで誘導したアポトーシスに関しても同様の実験を行ったが、アポトーシス抑制能は見られなかった。したがって、これらの結果からRecs1はFasの経路のアポトーシスを抑制する因子であることがわかった。
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[Publications] Ito,A., et al.: "A truncated isoform of the PP2A B56 subunit promotes cell motility through paxillin phosphorylation."EMBO J.. 19. 562-571 (2000)
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[Publications] Ito,A., et al.: "A role for heterologous gap junctions between melanoma and endothelial cells in metastasis."J.Clinc.Invest.. 105. 1189-1197 (2000)
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[Publications] Greener,T., et al.: "Role of cyclin G-associated kinae in uncoating clathrin-coated vesicles from non-neuronal cells."J.Biol.Chem.. 275. 1365-1370 (2000)