2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12033218
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
中田 博 京都産業大学, 工学部, 教授 (90113141)
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Keywords | ムチン / 腹腔マクロファージ / マウススカベンジャーリセプター / ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター |
Research Abstract |
マウス腹腔マクロファージ、ヒト単球由来細胞株THP-1細胞を用いて、ムチン型糖タンパク質(ムチン)による活性化とその影響について検討した。ムチンとしては、ウシ、ヒツジ顎下腺ムチン(BSM,OSM)及びヒト腸癌細胞LS180の培養上清より単離したムチン(M-GP)を用いた。BSM,OSM(100μg/ml)、M-GP(2μg/ml)及び比較のためにLPS(1μg/ml)の存在下で、腹腔マクロファージを培養し、上清に分泌されたサイトカイン(IL-1β、TNF-α)、PGE2をELISAで測定した。サイトカインの産生に関しては、ムチンによる大きな効果は認められなかったが、PGE2については、LPSと同程度の分泌の亢進が認められた。次にムチンの受容体を検討する目的で、マクロファージの可溶化物をBSM-セファロースに通し、十分に洗浄後、1M塩化ナトリウムを含む溶液で溶出した。溶出液を脱塩後、非還元条件でSDS-PAGEを行い、ウエスタンブロットを行った。抗マウススカベンジャーリセプター抗体で検出したところ、主に同リセプターの2量体と3量体の位置に検出された。また、同リセプターのcDNAをトランスフェクトしたCHO細胞についても同様の結果を得た。従って、スカベンジャーリセプターを介してマクロファージが活性化されることがわかった。THP-1細胞については、ムチンによる活性化に伴うウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーターの産生について検討した。BSM存在下で、3-24時間培養後、RNAを調製し、RT-PCRにより検討した結果、約8時間後に著しい誘導が認められた。上皮性癌組織に浸潤したマクロファージにおいても同様の現象がおこっているものと考えられ、癌細胞にとって有利な環境をもたらすものと考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] E.Osinaga et.al.: "Analysis of the fine specificity of Tn-binding proteins using synthetic glycopeptide epitopes and a biosensor based on surface palsmon resonance spectroscopy."FEBS Letters. 469. 24-28 (2000)
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[Publications] S.V.Guerre et al.: "Short synthetic glycopetides successfully induce antibody responses to carcinoma-associated Tn antigen."J.Peptide Res.. 55. 173-180 (2000)
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[Publications] M.Inoue et al.: "High density O-glycosylation of the MUC 2 taudem repeat unit by N-acetyl galactosaminyltransferase-3 in colonic adenocarcinoma extracts."Cancer Res.. (in press). (2001)