2000 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子AML1/PEBP2αBによる造血初期発生制御機構
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12036215
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
奥田 司 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (30291587)
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Keywords | AML1 / PEBP2 / RUNX1 / 胚型造血 / 成体型造血 / 転写因子 / 造血幹細胞 / ES細胞 |
Research Abstract |
転写因子複合体PEBP2のDNA結合サブユニットをコードするAML1(RUNX1)遺伝子は、多くのヒト白血病関連染色体転座の標的となり、また、成体型造血の初期発生において必須となる。当該研究ではES細胞を用いた実験システムを利用してAML1の造血制御機構の解析を行った。 野性型ES細胞をin vitroで胚様体に分化させると胎仔の発生と同様の時間経過をもって胚型および成体型の造血細胞が順次分化するが、ここでAML1欠損ES細胞を用いると成体型造血細胞の分化が認められず、遺伝子破壊マウスで観察された造血障害をin vitroで再現することが可能である。我々は、AML1欠損ES細胞にマウスAML1bをノックインの方法によって再導入すると、その造血分化能を効率良く再構築しうることを見い出した。そこで、野性型AML1bのかわりにカルボキシル(C)末端の欠失変異体をノックインさせその造血分化に及ぼす影響を検討した。C末端の転写抑制ドメインのみを欠くΔ446やΔ390変異体を発現させた場合でも野性型AML1b(451残基)と同様に造血能を再構築することが可能であった。一方、転写活性化ドメインをも欠くΔ320やΔ293ではこの造血レスキューは観察されなかった。さらに、これらのES細胞を用いてキメラマウスを作成し、その組織形成能を解析したところ、Δ320やΔ293変異体のノックイン細胞は造血細胞への分化能を獲得していなかった。一方、Δ446やΔ390変異体を発現させたES細胞はマウス個体での造血に貢献することが可能であった。 すなわちAML1による造血制御作用はたしかにその転写活性化能に依存している。一方C末端の転写抑制ドメインは骨髄系細胞の分化にとって必須とはならない。このサブドメインを介した作用を検討すべく、現在、キメラマウスの詳細な解析とともにgermlineマウスの作成を行っている。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Fujita,Y.: "Identification of an alternatively spliced form of the mouse AML1/RUNX1 gene transcript AML1c, and its expression in early hematopoietic development."Biochemical and Biophysical Research Communications. (印刷中). (2001)
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[Publications] Okuda,T.: "Biological characteristics of the leukemia-associated transcriptional factor AML1 disclosed by hematopoietic rescue of AML1-deficient embryonic stem cells by using a knock-in strategy."Molecular and Cellular Biology. 20・1. 319-328 (2000)
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[Publications] 奥田司: "造血初期発生を制御する転写因子群とノックアウトマウス"血液フロンティア. (印刷中). (2001)
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[Publications] 奥田司: "AML1/RUNX1遺伝子の変異と白血病"日本小児血液学会雑誌. (印刷中). (2001)
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[Publications] 奥田司: "AML1による転写制御と白血病"血液フロンティア. 10・9. 1123-1135 (2000)
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[Publications] 奥田司: "AML1と白血病"血液腫瘍科. 40・1. 1-12 (2000)
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[Publications] 奥田司: "造血器腫瘍アトラス第3版(阿部達生・編)"日本醫事新報社(東京). 284 (2000)
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[Publications] Okuda,T.: "Role of AML1 in normal and leukemic hematopoiesis.In "Molecular Target for Hematological Malignancies and Cancer" (Ed.by Niho Y.)"Kyushu University Press (Fukuoka, Japan). 159 (2000)