2000 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞増殖因子の同定と造血幹細胞のex vivo培養法の確立
Project/Area Number |
12036226
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
戸所 一雄 理化学研究所, 分子細胞生物学研究室, 副主任研究員 (80172170)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 由香 理化学研究所, 分子細胞生物学研究室, 協力研究員 (40281620)
|
Keywords | 幹細胞 / 造血 / 自己複製因子 |
Research Abstract |
造血幹細胞のself-renewal(自己複製)因子(膜蛋白質)の同定による造血幹細胞のex vivo培養増幅法の確立を目指して、マウス造血幹細胞の性状解析を行い以下の点を明らかにした。(1)最近Peschleらはヒト骨髄中のCD34^+Flk1^+細胞が造血幹細胞であると報告した。しかし、マウス骨髄中にはCD34^+Flk1^+細胞は極少数しか存在せず、Hoechst33342^-細胞(SP細胞)とは重複分画ではなかった。マウスSP細胞(Hoechst^-Rhodamine^-細胞)は放射線照射マウスで造血再構成ができたものの、マウスCD34^+Flk1^+細胞は出来なかった。従ってマウスではCD34^+Flk1^+細胞は造血幹細胞ではないと考えられた。(2)マウス骨髄Hoechst^-Rhodamine^-細胞(SP細胞)を、あるストローマ細胞上で何らサイトカインを添加することなく共培養行った。その結果6ヶ月以上に渡りcobble stone様コロニーを形成しながら長期培養増幅することが可能であった。増幅した細胞集団の中には、SP細胞もLin^-Scal^+c-Kit^+CD34^-細胞もLin^-Scal^+cKit^+CD34^+細胞も存在が確認できた。従ってマウス造血幹細胞のex vivo培養が特定条件下では可能と考えられた。(3)長期共培養した後単離したSP細胞を再びストローマ細胞上で共培養してもcobble stone様コロニーはできなかった。しかし長期培養後のLin^-Scal^+c-Kit^+CD34^-細胞やLin^-Scal^+cKit^+CD34^+細胞ではcobble stone様コロニー形成が再び可能であった。これら長期培養後の各細胞分画で造血再構成実験を行ったところ、SP細胞では再構成が不可能であったが、Lin^-Scal^+cKit^+CD34^+細胞では現在のところ再構成可能であると判断ている。現在長期再構成能について調べている。このストローマ細胞には造血幹細胞をex vivoで増幅維持する能力があると考えられた。現在このcDNAライブラリーから造血幹細胞の自己複製因子の発現クローニングを行っている
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Ellinger-Ziegelbauer,H.ら: "Ste20-like kinse(SLK),a regulatory kinase for polo-like kinase(Plk)during the G2/M transition in somatic cells."Genes Cells. 5. 491-498 (2000)
-
[Publications] Ueda,H. ら: "Cell-growth control by monomeric antigen : the cell surface expression of lsozyme-specific Ig V-domains fused to truncated Epo receptor."J.Immunol.Methods. 241. 159-170 (2000)
-
[Publications] Sugata,N. ら: "Human CENP-H multimers colocalize with CENP-A and CENP-C at active centromere-kinetochore complexes."Hum.Mol.Genet.. 9. 2919-2926 (2000)
-
[Publications] Nagata,Y. ら: "A novel regulator of G-protein signaling bearing GAP activity for Gαi and Gαq in megakaryocytes"Blood. (印刷中). (2001)
-
[Publications] Haruta,H. ら: "Isolation of a novel interleukin-1 inducible nuclear protein bearing ankyrin-repeat motifs"J.Biol.Chem.. (印刷中). (2001)
-
[Publications] 永田由香,戸所一雄: "血液・腫瘍科「MAPKとアポトーシス」"科学評論社. (2000)
-
[Publications] 永田由香,戸所一雄: "分子細胞治療「赤血球/巨核球の分化制御シグナル」"先端医学社(印刷中). (2001)