2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12039205
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 隆 東北大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (00161993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠崎 晃一 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (00206103)
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Keywords | 方言の消滅 / 語彙 / 方言分布 / 方言地理学 / 『日本言語地図』 / 調査項目 / 調査票 / 通信調査 |
Research Abstract |
本研究は、消滅の危機に瀕している伝統的方言語彙を記録するために、全国的な分布調査を行なうことめざす。この目的に向けて、本年度は次の作業を行なった。 1.調査票の作成:方言差が存在しながらも衰退が著しいと思われる語彙について検討した。その際、国立国語研究所『日本言語地図』が対象にした意味分野で抜け落ちている項目と、そもそも『日本言語地図』が扱っていない意味分野の項目の両方に配慮した。具体的には、気象、時間、天体、地形などの自然関係、および、副詞、慣用句、挨拶表現を中心に方言量の多い113項目を選定した。そして、それらの調査項目を2つに分け、「第5調査票」「第6調査票」を作成した。 2.調査の実施:郵送による通信調査法をとるため、各市町村の教育委員会および話者の方々の協力を得た。教育委員会に依頼し、教育委員会から適当な話者に調査票を渡してもらうという方式をとった。昨年度の結果をもとに、各市町村教育委員会のリストを修正し、全国2000地点に配布した。 3.調査結果の整理:調査票を回収し、結果の整理を行なった。特に、「第1調査票」「第2調査票」については、フェイスシート情報および回答結果の入力作業を終了し、基礎的データの構築を完成させた。 4.成果の報告:本年度は最終年度にあたるため、これまでの研究成果を『消滅の危機に瀕する全国方言語彙資料』としてとりまとめた。
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[Publications] 小林 隆: "日本語方言形式モデルのために"方言地理学の課題. 248-261 (2002)
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[Publications] 小林 隆: "方言学のパースペクティブ"21世紀の方言学. 56-67 (2002)
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[Publications] 小林 隆: "繋ぐことばから閉じることばへ"言語. 32-3. 60-67 (2003)
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[Publications] 篠崎晃一: "新しい表現の地域差"方言地理学の課題. 315-328 (2002)
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[Publications] 篠崎晃一: "言語行動の方言学"21世紀の方言学. 226-234 (2002)