2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12039243
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
柴田 紀男 天理大学, 国際文化学部, 教授 (60122363)
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Keywords | オーストロネシア語 / ペンリン方言 / ポリネシア語 / 語彙記述 / クック諸島マオリ語 |
Research Abstract |
今年度は現地ペシリン環礁での調査の初年度であった。次の4項目の活動を行なった。 1 ニュージーランドのオークランド大学図書館でペンリン語関係の文献を調査した。 2 クック諸島ラロトンガ島(主島)のペンリン・ホステルで同島在住の島民から人口動態に関する情報を集め,島民との人間関係の確立に努めた。 3 ペンリン環礁に4週間滞在して,島民との談話と島民生活の観察を通じて,適当なインフォーマント探しに努めた。数人のインフォーマントを得て,基本的な語彙の収集を行ない,おおよそ2000語程度の単語を集めた。 4 1)現地調査で得た言語資料の分析を始めた。 2)難破して1853年1月から1年あまりのあいだペンリン環礁に滞在したアメリカ人ラモント(E.H.Lamont)の手記『太平洋の野生人と暮らす』に引用されている多数のペンリン方言語彙の同定(音韻形と意味の確定)を行なった。まだ同定できないものも残っている。 本研究は,ニュージーランドのオークランド大学太平洋言語学科クック諸島マオリ語担当講師ランギ・モエカア(Rangit Moeka'a),および,海洋生物にも詳しい元クック諸島政府外島行政部部長だった海洋地質学者アンソニー・ウタンガ(Anthony Utanga)の協力を得て行なっている。
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