2000 Fiscal Year Annual Research Report
膜界面での形状識別に基づく電気的シグナル変換のための論理的分子設計と合成
Project/Area Number |
12042221
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小田嶋 和徳 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (30152507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 直洋 名古屋市立大学, 薬学部, 講師 (80080208)
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Keywords | ホストーゲスト分子認識 / カリックス[6]アレーン類 / ホモオキサカリックス[3]アレーン類 / 膜電位変化の選択性 / ゲストの脂溶性 / ホストーゲスト錯体の安定性 / ホストーゲスト錯体の構造 / 非経験的分子軌道法 |
Research Abstract |
「膜界面での形状識別に基づく電気的シグナル変換のための論理的分子設計と合成」に関する研究として,カリックス[6]アレーン誘導体(1)並びにホモオキサカリックス[3]アレーン誘導体(2)によるホストーゲスト錯体形成に基づく膜電位変化の選択性を支配する要素に関して,以下のような基礎知見が得られた。 1.各ホストを含むPVC液膜並びにホストを含まないブランクPVC液膜を用いて,ゲストによる膜電位変化を測定し,膜電位変化の選択性を(1)ゲストの脂溶性,(2)ホストーゲスト錯体形成の強さ,という二つの要素に分離して実験的評価を行った。 2.その結果,ホスト1による有機ゲスト(プロトン化一級アミン)の非極性部分の構造識別は,上記の要素(2)に基づくものであることが明らかとなり,一方,ホスト2によるドーパミン/生体無機ゲストの識別は,NH_4^+とK^+の場合は主に要素(2)に基づくものであるのに対して,親水性の高いNa^+については,要素(2)よりもむしろ要素(1)に基づくものであることが明らかとなった。 3.ホスト2によるドーパミン選択的な錯体形成を理解する基盤となる分子構造の基礎知見を得るために,モデル化合物を用いて非経験的分子軌道計算(HF/3-21G*法)を行った。その結果,ホストーゲスト相互作用は,ドーパミンの場合には主にホストのエーテル性酸素との水素結合であるのに対して,無機ゲストであるNa^+の場合には,ホストのエーテル性酸素並びにフェノール性酸素の両方との電荷-双極子相互作用であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Odashima: "Two Factors for Potentiometric Selectivities Displayed by Calix|6|arene and Hexahomotrioxacalix|3|arene Esters"Bioorganic & Medicinal Chemistry Letter. 11(accepted). (2001)
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[Publications] S.Amemiya: "Accurate Determination of Complex Formation Constants of Neutral Hosts in Solvent Polymeric Membranes"Analytical Chemistry. 73(accepted). (2001)
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[Publications] N.Mori: "Chemo-and Regioselective Cyclotrimerization of Monoynes by a Nickel (0) and Zinc (II) Phenoxide System"Chemical Communications. 181-182 (2001)
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[Publications] Y.Yamashita: "Catalytic Asymmetric Protonation of Achiral Lithium Enolates by a Chiral Tetraamine Ligand with Water as a Proton Source"Tetrahedron Letters. 41(2). 209-213 (2000)