2001 Fiscal Year Annual Research Report
ab initio法と融合したポテンシャル面自動生成に関する研究
Project/Area Number |
12042232
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
石田 俊正 静岡大学, 工学部, 助教授 (50212890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片桐 秀樹 独立行政法人, 産業技術総合研究所, 主任研究員
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Keywords | ポテンシャル画 / ab initio法 / 反応動力学 / 局所内挿法 / 最小二乗法 / H_4 |
Research Abstract |
ポテンシャル面は、電子の運動を論じる量子化学と原子核の運動を論じる反応動力学の橋渡しをする重要な役割を果たす。われわれは、エネルギーに関する座標微分を全く使わない方法として、内挿移動最小二乗法(interpolant moving least squares, IMLS)法とShepard内挿法を併用した方法(IMLS/Shepard法)を開発し、いくつかの系に応用してきた。本年度は、H_4系に対してcc-pVTZ基底による4電子15軌道に対するCAS SCF計算でポテンシャルの内挿点のエネルギーを得た。はじめに、28点をとり、100点を加えた。原子核の置換によって24の等価な点があることを考慮すると、点の総数は3,072となる。100点を加えるにあたっては、すべての原子間距離が0.8-7.0auになる配置をランダムに発生し、内挿ポテンシャル面上で、H_2同士を無限に離したときよりも0.3eVだけ高いエネエギーよりも低いエネルギーとなる点をサンプルした。得られたポテンシャル面は、低エネルギーでBoothroydらがH_4に対する、6101点にのぼる多参照CI計算を行い、そのデータに対して、Aguadoらが大局的ポテンシャルフィットを行った結果をよく再現している。また、H_2同士を無限に離したときよりも0.5eVだけ高いエネエギーをサンプルの閾値に使ったにもかかわらず、大局的に6eV程度のH_2-H_2の障壁を定性的に再現している。Aguadoらのフィットにおいて誤差が1kcal/mol程度と報告されているが、われわれの方法は局所内挿法に基づいているため、同じデータを用いた場合、データに用いた計算点における誤差は全くなくなるので、高精度のポテンシャルフィットにも適用性は高いと考えられる。以上のほかにBayesianの定理に基づいた重み関数を用いた場合について計算を行った。
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[Publications] T.Ishida, H.Katagiri: "An ab initio molecular orbital and dynamics study on Penning ionization of Ar with He metastables(He^*(2^1S,2^3S)) into the spin-orbit Ar^+(^2P_<3/2>,^2P_<1/2>) states"J. Phys. Chem. A. 105. 9379-9387 (2001)
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[Publications] T.Ishida, K.Ohno: "Valence Electronic Force and Core Electronic Force. Significance of Core Electrons on Chemical Binding"J. Molecular Structure(THEOCHEM). 574. 145-152 (2001)
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[Publications] K.Fujine, T.Ishida, J.Aihara: "Localization Energies for Graphite and Fullerenes"Phys. Chem. Chem. Phys.. 3. 3917-3919 (2001)