2000 Fiscal Year Annual Research Report
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12042275
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
古川 行夫 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50156965)
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Keywords | 導電性ポリマー / ポリチオフェン / ポーラロン / バイポーラロン / ラマン分光 / 赤外分光 / 可視・近赤外吸収分光 |
Research Abstract |
発光ダイオードなどの電子・光デバイスの材料として,共役高分子の分子設計を行う際に基礎となる実験データを構築することを目的として,共役高分子のキャリヤーである正ポーラロン(電荷,+e;スピン,1/2)と正バイポーラロン(電荷,+2e;スピン,0)の安定性について,ポリチオフェンとその誘導体を用いて検討した.ポリチオフェンに,FeCl_3ドーピングを行った場合には,低濃度から高濃度領域までバイポーラロンが安定に存在したが,位置規則性ポリ(3-オクチルチオフェン)では,低濃度ではポーラロンが安定に存在し,高濃度ではバイポーラロンが安定に存在した.同じドーパントを使用しても,ポリチオフェンとポリ(3-オクチルチオフェン)では,ポーラロン/バイポーラロンの安定性が異なることが明らかとなった.これは,ポリマーの分子・固体構造が,ポーラロン/バイポーラロンの安定性に影響を及ぼしていることを示している.また,中間的な濃度では,ポーラロンにもバイポーラロンにも帰属できない構造をラマン分光法で検出した.これは,理論的にポーラロン格子からバイポーラロン格子に転移する際に中間状態として予想されている構造,すなわち,ポーラロンが2量体を作った構造である可能性力高い.また,ポリチオフェンにヨウ素をドーピングした場合には,ポーラロンのみが生成した.このことから,カウンターイオンがポーラロン/バイポーラロンの安定性に影響を及ぼしていることがわかった.また,ポリチオフェンに関して,ポーラロンとバイポーラロンの赤外吸収スペクトルを測定することができ,今後,赤外分光法によってもポーラロンとバイポーラロンを同定することができるようになった.
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[Publications] Y.Furukawa, et al.: "Phase-Modulation Measurements of Photoinduced Infrared Absorptions from Poly (p-phenylene) and Poly(2,5-dioctyloxy-p-phenylenevinylene)""Journal of Molecular Structure. 521(1-3). 211-220 (2000)
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[Publications] Y.Furukawa, et al.: "Voltage-Induced Infrared Absorption of the Light-Emitting Diode Based on MEH-PPV"Synthetic Metals. in press. (2001)
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[Publications] Y.Furukawa: "Electronic Spectra of Conjugated Polymers and Oligomers"Handbook of Advanced Electronic and Photonic Materials and Devices. 303-320 (2000)
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[Publications] 古川行夫: "導電性高分子の理論"導電性高分子材料の開発と応用. 3-9 (2001)