2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12042277
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
池田 研介 立命館大学, 理工学部, 教授 (40151287)
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Keywords | 遷移状態 / カオス / マイクロ・クラスター / 合金化 / トンネル効果 |
Research Abstract |
古典的な状態遷移過程として金属クラスターの状態間遷移、特に2種合金マイクロクラスターの自発的合金化過程を研究し、一方量子的な遷移過程として多次元系のエネルギー障壁トンネル効果を研究した。成果は以下の通り。 自発的合金化に関して 金属合金化過程で見られる、高速拡散過程を簡単なモデルでシミュレーションし生成熱依存性、温度依存性、サイズ依存性などの組織的研究の結果、実験の結果の本質的部分を再現することに成功した。高速化は合金クラスターに限らず一般のクラスターでも発生する普遍的現象である証拠が多々見いだされつつあり、その機構の解明に当たっている。この為、合金化に依る昇温を避け温度の高精度制御可能な新しいアルゴリズムによる組織的なデータ解析が進行中である。 障壁トンネル効果に関して 系の多次元性の典型的な顕在化としてトンネル波動関数に現れる顕著な干渉現象の古典力学的起源を解明する研究を行った。まず、純量子力学計算から、このような干渉トンネル効果が多次元トンネル効果に於いて一般的であることを確認した。この現象は同等に寄与しうる複数個のトンネル軌道が出現する為でありその古典的起源が解明されつつある。複数軌道寄与はポテンシャル頂上の不安定周期点の不安定多様体と入射ビーム面のヘテロクリニックな絡み合いが原因であることがほぼ突き止められた。さらに、この現象とトンネル軌道の複素特異点の<発散的運動>との関係が解明されつつある。この現象の普遍性の解明に当たっている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Takahashi and K.S.Ikeda: "Complex semiclassical description of scatterig problem in systems with 1.5 degrees of free-dom."Ann.Phys.(N.Y.). 283. 94-140 (2000)
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[Publications] K.Takahashi and K.S. Ikeda: "Complex-domain semiclassical theory : application to time-dependent barrier tunneling problems."Foundations of Physics. 31. 177-201 (2001)