2000 Fiscal Year Annual Research Report
新しい高精度のモデル内殻ポテンシャルの開発とそれらの応用
Project/Area Number |
12042282
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三好 永作 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (70148914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂木 孝一 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助手 (30304835)
酒井 嘉子 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (40091392)
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Keywords | 分子軌道法 / モデル内殻ポテンシャル / スピン軌道相互作用 |
Research Abstract |
これまで,Li〜Krまでの元素に関しては非相対論的モデル内殻ポテンシャル(MCP)を開発しているが今回はこれらの元素に対して相対論的MCPと基底関数を開発している.このMCPと基底関数を使って,スピン軌道相互作用を扱えるように改良を行った.これらのMCPと基底関数を使い,TiCl,ZrCl分子の低い電子状態を計算し基底状態を求めるために,MCPと基底関数を使いMRSDCI計算とMRCPA計算を行った.TiCl分子では^4Φ状態が基底状態であったが,ZrCl分子では^2Δ状態が基底状態であることがはじめて明かになった.また,ZrCl分子についてはスピン軌道相互作用を考慮したスピン軌道CI計算を行なった.さらに,NaI分子の基底状態と低い励起状態(Ω=0^+,1状態)のポテンシャル曲線を得るためにスピン軌道CI計算を行なった.これまでの分子軌道計算から得られた第一励起状態A0^+のポテンシャル曲線は実験から得られたものとR(Na-I)=6より内側で大きく差があったが,今回計算された第一励起状態A0^+は,実験データから得られたポテンシャル曲線に基本的に一致した.この状態は,基底状態の平衡核間距離付近で^3II状態が約80%の重みを持つが,A^1Σ^+状態の電子配置を約20%もつ状態であり,基底状態から双極子遷移するのに十分に大きな確率を持っている.また,この状態は10a.u.〜18a.u.の範囲で,イオン的な電子配置が主成分となり,その外では再び^3II状態が主成分となる.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Sakai,K.Mogi,E.Miyoshi: "Theoretical study of low-lying electronic states of TiCl and ZrCl"Journal of Chemical Physics. Vol.111. 3989-3994 (1999)
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[Publications] K.Takeshita,N.Shida,E.Miyoshi: "A theoretical study on the ionization of CO_2 and CS_2 with analysis of vibrational structure of the photoelectron spectra"Journal of Chemical Physics. Vol.112. 10838-10844 (2000)