2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12044210
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
太田 淳 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (80304161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳田 崇 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (50314539)
布下 正宏 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (70304160)
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Keywords | ビジョンチップ / CMOSイメージセンサ / パルス周波数変調 / 低電圧化 / アナログデジタル融合 |
Research Abstract |
ビジョンチップは画素内に受光素子と信号処理回路を集積化することで,生体視覚情報処理系の有する柔軟かつ高速な画像処理を実現しようとするものである。近年のLSIの微細化・高集積化の流れは,処理機能を画素内に集積化しているビジョンチップにとって有利である一方,微細化にともなう電源電圧の低電圧化は光強度信号のセンシングの観点からSN比の劣化につながり不利な条件となると予想される。また受光素子であるフォトダイオードは微細化によりサイズが縮小していくと信号量が減少しSN比の劣化を生じる。従って,高集積化が必要とされるビジョンチップにとってLSI微細化のトレンドを有効に活用するためには,電源の低電圧化とフォトダイオードサイズ微細化に対応できる受光方式が重要となってくる。 ビジョンチップはその信号処理形態の観点から,アナログ方式とデジタル方式に大別される。一方生体神経系ではパルス頻度信号(パルス周波数変調;Pulse Frequency Modulation,PFM)により情報が表現されており,このパルス信号により一種のアナログ・デジタル融合が実現されており,信号伝達におけるノイズ耐性を高めていると同時に,パルス間のシンクロナイゼーション機能により高次の処理を可能としている。このようなPFMをビジョンチップに導入することで,従来にない柔軟で知的な処理機能を高いノイズ耐性の下で実現が可能になると期待される。 本研究ではアナログ・デジタル融合方式であるパルス周波数変調方式を光信号検出手段として用いたビジョンチップ画素回路特性について報告する。CMOS0.35μmルールにより1μm角開口を有する2μm角サイズのフォトダイオードとパルス周波数変調回路を集積化した画素回路を試作した。本試作回路を評価した結果,電源電圧0.6Vの低電圧動作でダイナミックレンジ50dB以上の特性を確認した。
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[Publications] 太田淳,阪田裕彦,平井隆夫,徳田崇,布下正宏: "パルス周波数変調方式ビジョンチップ低電圧駆動"電子情報通信学会技術報告. ICD2000-91. 51-56 (2000)
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[Publications] J.Ohta,H.Sakata,T.Tokuda,and M.Nunoshita: "Low-voltage operation of a CMOS image sensor based on a pulse frequency modulation"Proc.SPIE. 4306(印刷中). (2000)