2000 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ球交通を制御するレーセレクチンの生理的リガンドの同定と発現調節機構の解明
Project/Area Number |
12045228
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
石田 秀治 岐阜大学, 農学部, 助教授 (20203002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神奈木 玲児 愛知県がんセンター, 分子病態学部, 部長 (80161389)
木曽 真 岐阜大学, 農学部, 教授 (90092931)
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Keywords | リンパ球交通 / 細胞接着分子 / Lーセレクチン |
Research Abstract |
L-セレクチンはリンパ球上に発現し、リンパ球の交通制御に関与していることが明らかにされている。L-セレクチンのリガンドとして6-スルホシアリルルイスXと呼ばれる糖鎖が同定されたが、その研究過程において、6-スルホシアリルルイスXの鍵構造であるシアル酸が、活性型であるデ-N-アセチルシアル酸や不活性型であるラクタム型シアル酸に構造変化することで、L-セレクチンが関与する免疫反応と動的に制御しているという、非常に興味深い仮説が提出されるに至った。本研究では、L-セレクチンのリガンドに関連する分子を設計・合成することにより、この仮説に分子的基盤を与え、それを証明することを目的とした。具体的には、特に不活性型として見出されたラクタム型シアル酸に注目し、この新規なシアル酸誘導体の化学的及び生物学的性質を明らかにするために、このラクタム型シアル酸を含有する糖鎖を合成することとした。標的分子として、シアル酸を含む最も単純なガングリオシドであるGM4、またセレクチンファミリーのリガンドであることが知られているシアリルルイスXを選び、それぞれのラクタム型シアル酸含有型分子の合成に取り組み、成功した。またNMR、MSを中心にスペクトルデータの解析を進め、ラクタム型シアル酸に特長的なスペクトルを明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Fukunaga et al.: "Systematic synthesis of sulfated sialyl α(2-3) neolacho tetraose derivatives and their acceptor specificity"Carbohydrate Research. 328. 85-94 (2000)
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[Publications] E.Tanahashi et al.: "Symthesis of sialyl α(2-3) neolactotetraose derivative containing different sialic acids"Journal of Cardohydrate Chemistry. 19(6). 747-768 (2000)
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[Publications] N.Otsubo et al: "The first highly efficient synthesis of Spacer-armed O-glycans on GlyCAM-1 and PSGL-1"Tetrahedron Letters. 41. 3879-3882 (2000)