2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12045234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
近藤 忠雄 名古屋大学, 化学測定機器センター, 助教授 (70093028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 久美 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 助教授 (90210690)
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Keywords | アジサイ / 3-カフェオイルキナ酸 / デルフィニジン3-グルコシド / 5-カフェオイルキナ酸 / アルミニウムイオン / 細胞内微小pH電極 / 青色花色発現 / 金属錯体アントシアニン |
Research Abstract |
アジサイの花色は、赤から紫〜青色と多彩で、土壌や時間経過のみならず、同じ株や同じ玉でも微妙に異なることが知られている。しかし、たった一種類のアントシアニン、デルフィニジン3-グルコシドが全ての色を発色する。本研究では、この変化の細胞内化学的機構の解明を目指して行なった。 1)着色液胞のpH測定 アジサイ萼片組織において、着色細胞は表層でなく二〜三層目に存在するため、組織そのままを用いた微小電極法によるpH測定が困難であった。そこで、萼片をプロトプラスト化してから、測定する方法考案し、実施した。懸濁プロトプラストをガラス板に固定し、顕微分光分析により細胞の吸収スペクトルを測定後、直ちに液胞pHを測定した。いずれの細胞も処理中に生萼片の色が変化しないことが確認できた。青色細胞では、平均の吸収極大波長が585nmで液胞pHは約3.9、赤色細胞は吸収極大波長539nm、液胞pHが3.2であった。両者には0.1%の危険率で有意差が認められた。 2)着色液胞の有機組成および金属イオン組成 アジサイの青色発色にはアルミニウムイオンの関与することが、長年言われている。しかし、従来の全てのアルミニウムイオン分析は、無色細胞も含んだ萼片全体の磨砕分析であった。本研究では、着色細胞だけを標的とした液胞内組成分析が、アジサイの発色解明には不可欠であるとと考え、その手法の開拓を目指した。プロトプラスト化した萼片細胞の様々な密度勾配による精製を試みたが、50%以上の精製が困難であった。そこで、マイクロマニピュレーション法による細胞収集を実施した。それと並行して、極微量アルミニウム分析の手法および極微量有機成分分析法の検討を行なった。現在、200細胞程度での各成分の分析手段を確立しつつある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yoshida,K.,Kondo,T. et al.: "Contribution of Each Caffeoyl Residue of the Pigment Molecule of Gentiodelphin to Blue Color Development."Phytochamistry. 54. 85-92 (2000)
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[Publications] Kondo,T.,Oyarna,K.,Yoshida,K.: "Chiral Molecular Recognition on Formation of a Metalloanthocyanin : A Supramolecular Metal Complex Pigment from Blue Flower of Salvia patens."Angew.Chem.Int.Ed.. 40. 894-897 (2001)
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[Publications] Aida,R.,Yoshida,K.,Kondo,T. et al.: "Copigmentation gives bluer flowers on transgenic torenia plants with the antisense dihydroflavonol-4-reductase gene."Plant Science. 160. 49-56 (2001)