2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12045264
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
北川 禎三 岡崎国立共同研究機構, 統合バイオサイエンスセンター, 教授 (40029955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 泰久 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (60270469)
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Keywords | soluble guanylate cyclase / HBP23 / Resonance Raman / Vibrational Specra |
Research Abstract |
微量色素タンパク質としてHeme Binding Protein 23(HBP23)とsoluble Guanylate Cyclase(sGC)をとり上げた。HBP23はラット肝細胞質より単離された分子量23kDaの蛋白質でペルオキシダーゼ活性を示し、ヘムと高い親和性(Kd=55nM)を示すが、ヘムの存在下ではペルオキシダーゼ活性は消える。HBP23とヘムは1:1で結合する。そのヘム結合状態の可視共鳴ラマンスペクトルを種々の励起波長で測定した。そのスペクトルパターンから、Fe^<3+>状態では6配位低スピン型であり鉄の軸配位子はNかS原子と推定された。Fe^<2+>状態では5配位高スピン型であるが、Fe-His伸縮バンドが観測されないので、鉄の軸配位子はヒスチヂンではないと思われた。sGCはウシ肺より単離、精製した。4kgの肺より3.2mgとれた。そのCO結合形の共鳴ラマンスペクトルを測定したところ、これまでの酵素と違ってFe-CO伸縮振動のラマン線を2本与えた。これにYC-1という有機分子を加えると、その内の1本が弱くなり、GTPを加えると完全に1本になった。それらのバンドは^<13>C^<18>Oを用いると振動数シフトを示すことから帰属に間違いはなく、別の標品でも再現性よく観測されることを確認した。消えた方のバンドの振動数はアメリカのグループが報告しているものに近く、残った方は我々が2年前に報告したものと同じであることから、sGCに2種のコンフォメーションがあって、その平衡がエフェクターとなる有機分子やGTPにより変えられる可能性が示唆された。
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