2003 Fiscal Year Annual Research Report
ESR-μSR分光による量子臨界点近傍における多自由度励起相の研究
Project/Area Number |
12046206
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
野尻 浩之 岡山大学, 理学部, 教授 (80189399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
髭本 亘 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究部, 助教授 (90291103)
門野 良典 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (10194870)
有本 収 岡山大学, 理学部, 助教授 (70193092)
松田 康弘 岡山大学, 理学部, 助教授 (10292757)
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Keywords | 中間子 / 超伝導 / テラヘルツESR / 強磁場 / 多自由度 |
Research Abstract |
本研究では、ESRとμSR分光を相補的に用いて、強相関系における新しい基底状態、励起状態の研究を行った。成果の1つとして重要なものは、異方的超伝導体の浸入長の決定であり、Y(Ni_<1-x>Pt_x)_2B_2C、MgB2、PrOs_4Sb_<12>に関して超伝導の対称性を決定するのに有用な情報を得た。さらに、PrOs_4Sb_<12>に関しては超伝導状態の形成に伴ってできる微弱な磁場を検知することに成功し、この物質で時間反転対称性が破れるような超伝導状態が生じていることを明らかにした。 μSR分光は、キャリアドープによって生じる微弱な反強磁性転移を調べるのに威力を発揮する。この特性を利用して、Pr_<0.89>LaCe_<0.11>CuO_<4+> La_<2-x>Sr_xCuO_4などにおける微弱で乱れた磁気秩序の観測やボルテックス状態の観測などに成功し、超伝導状態の理解を深めるのに貢献した。さらに、フラストレーショシの強いLiV_2O_4において特異なスピンゆらぎを見出した。 ESRを用いて、磁場によりトリップレットの金属 非金属転移が引き起こされる2次元ダイマー系において、多粒子の作る束縛状態を初めて見出し、その対称性や結合状態を詳細に明らかにした。 強磁場X線測定を用いた、Mn酸化物の磁場誘起非金属 金属転移における格子歪みの実時間観測に成功し、磁場の変化率に応じた準安定状態が現れること、これらの準安定状態は格子の特徴的な変形を伴っていることを示した。さらに、非金属 金属転移がスピン自由度のみが変化する可逆な部分と、格子変形を伴う非可逆な部分に分けられることを見出した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] R.Kadono, 他9名: "Magnetic Ground State of Pr_<0.89>LaCe_<0.11>CuO_<4+d> with Varied Oxygen Depletion Probed by Muon Spin Relaxation"J.Phys.Soc.Jpn.. 72. 2955-2958 (2003)
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[Publications] Y.Aoki, 他4名, W.Higemoto, A.Koda, K.Ohishi, K.Nishiyama, R.Kadono: "Time-Reversal Symmetry-Breaking Superconductivity in Heavy-Fermion PrOs_4Sb_<12> Detected by Muon-Spin Relaxation"Phys.Rev.Lett.. 91. 067003 (2003)
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[Publications] W.Higemoto: "μSR study of magnetism of CeRh_2Si_2 under a high pressure"Physica B. 329-333. 601-602 (2003)
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[Publications] R.Kadono, 他12名: "Large vortex core at low magnetic induction in La_<2-x>Sr_xCuO_4 probed by muon spin rotation"Physica C. 388-389. 631-632 (2003)
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[Publications] A.Koda, R.Kadono, W.Higemoto, 他6名: "Spin fluctuation in LiV_2O_4 studied by muon spin relaxation"Phys.Rev.B. 69. 012402 (2004)
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[Publications] H.Nojiri, 他3名: "ESR study on the excited state energy diagrum of SrCu_2(BO_3)_2-a central role of multiple-triplet bound state"J.Phys.Soc.Jpn.. 72. 3243-3253 (2003)